昨年話題になりました札幌高等裁判所の判決に今更ながら言及してみる。
下記が事件の概要
■旭川医科大学が病院情報管理システムの構築をNTT東日本に依頼
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■受託契約の後、医師たちによる追加要望が大量に発程し、プロジェクトが混乱
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■今後、追加の仕様の変更は行いことに合意しプロジェクトが再スタート
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■結局仕様変更が度重なり、プロジェクトは延滞
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■結局期日通りに納品が出来なかったことを理由に旭川医科大学がNTT東日本との契約不履行と通知。
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■NTT東日本は度重なる追加要望・変更がプロジェクト失敗の要因として訴訟
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■札幌高等裁判所の判決は旭川医科大学側の責任としてベンダーであるNTT東日本に対して約14億1500万を支払う判決を下した。
発注側は日頃の業務外のプロジェクトを管理・調整するスキルって誰も持ち合わせていない
数年に一度起きるシステムの刷新や、業務フローの見直し、端末の導入など、日常業務のルーティンワーク外の仕事ってそもそも企業担当者はそのスキルを持ち合わせていない場合が多い、リスクの判断基準、導入の難易度、工数の把握を全てベンダー任せになっているケースが非常に多いと思われる。
また企業経営層はプロジェクトに与える影響の事まで綿密に考えたりせず思ったことを口にする場合もあったり、それで現場が混乱するケースも多々あったりする。
誰が悪いって訳ではないように、船頭多くして船山を登る
結局は自分の責任逃れのようにみんなの意見を聞いてみんなが円満に済むようなプロジェクト管理をしている事が失敗のものなのだと思う。
何を実装して、今回は何を見送るのか、そのジャッジをする人が不在の状態でただみんなのレビューをそのままリクエスト(要求)として実装をせがむようではプロジェクトが炎上するのは当たり前。
まさに船頭多くして船山を登るとはこの事。
プロジェクトマネージャーを外注するのはどうなのか
昨今ではRFPの作成を外部に依頼する流れがある。
RFPを外部に頼むのならプロジェクトマネージャーも外部に頼もうなんて考えも。
社内にノウハウを蓄積するために初期学習として外部の協力を得ることは重要だと思う。
その後社内でノウハウを蓄積し、いずれは社内単体で業務を遂行出来る事を前提とするならば・・・
でも外部マネージメントの委託が常習化して、いつまでも外部に任せていると、先で述べた旭川医科大学とNTT東日本の問題の再発となる。
自社内でプロジェクトをコントロールするスキルを養わないと結局は開発の上流工程までベンダー任せというジレンマに陥る。
なんだか今日は開発ベンダーを上手に使うためにさらに上流工程でもコンサルベンダーを活用していう結局は全てベンダー任せの話を聞いたジレンマについて述べてみました。