先日3年ぶりに下赤坂の棚田に行ってきました。
ここは日本の棚田100選にも選ばれている場所。
きれいに手入れされた棚田の景色が美しいわけですが、以前に訪れた時と比べ、いくつか手つかずの田んぼがあることに気が付いたわけです。
このような景観は非常に日本らしく美しいのですがいつまでこの美しい光景が見れるのか分かりません。
こちらは棚田を真上から撮影したものですが、手前の何枚かの田んぼは手つかずで雑草が生えている状態。
全国にある棚田の風景は保存会の積極的な活動がないと次第に手入れが出来ない、自然状態に戻りつつあります。
棚田を守るための棚田百選
現代社会において農家による農業収入の悪化、収益構造の難しさから、農業から離れていく人たちが増えてきた。
そこで農林水産省は棚田の維持が困難な危機的な状況であると考え、観光地として新たな棚田の価値を見出すために1999年に美しい日本の棚田の景観として棚田百選が発表されたわけです。
棚田の維持管理は大変
大型のトラクターやコンバインでの耕作が難しいのが棚田です。
水田から水田へと移動するのも大変。
平地の田んぼよりも多くの人手が必要となる棚田。
機械化が進む農業において、棚田の生産性は効率が悪いという現状。
また、管理者の高齢化、担い手不足という点でも今後の棚田の維持管理は難しいという状況なわけです。
日本の棚田を守る棚田オーナー制度
棚田の耕作放棄を食い止めるべく活動をしているのがNPO法人棚田ネットワーク。
ここでは棚田オーナー制度という活動をしていて、年会費を払うと誰でも棚田の一定区画のオーナーになれるというもの。
地元の農家さんからレクチャーを受けつつ、田植え、稲刈りなどの農業体験が出来る。
こうした働きかけの元、今の棚田が保存維持されているというのが現実なのである。
棚田の景観を後世に残そう。
積極的な保存活動を行わないと今の日本の棚田の景色を維持するのは非常に難しいわけです。
昔から引き継がれてた日本らしい自然と暮らしの営みの情景。
その地域地域にある里山らしさという多様性を持った貴重な情景を後世にも引き継げるのか。
後世のカメラ好きに人のためにも写真で残すのではなく、原風景として残してあげたいと思う今日この頃なのであります。
ではでは。