会社の前でボケーっと休憩をしている時の事。
目の前の道路に1台の2トントラックが停まっていた。
荷台の中では外国人作業員と思われる一人の男性が空の段ボールの解体作業に追われている。
その作業を荷台の後ろから唯々ボケーっとポケットに手に入れて眺めているダウンジャケット羽織った中年のおっちゃん。
外国人の作業員は一人で熱心に段ボールの解体をしている。
それを手伝うでもなく、ただ眺めているダウンジャケットのおっちゃん。
そんな光景が目に留まったので何だか主従関係というか、このただ突っ立ているおっちゃんと外国人作業員の関係が気になってしばらく眺めていた。
その光景を眺めて5分程度が経過したころ、会社のユニフォームを着た2トントラックのドライバーと思われる人が荷台の様子を見に来た。
そのドライバーは唯々突っ立ているおっちゃんに向かって、「なんで手伝わないんだ!ちゃんと仕事をしろよ!」と突っ立ているおっちゃんに向かって言い放ち、荷台に登って段ボールの解体を始めた。
私は「え!そういう関係なの!」とびっくりしてしまった。
ドライバーは注意をするとおっちゃんもすぐに手を動かすものだと思っていたのだろう。
おっちゃんはドライバーと外国人作業員の作業を見ながら微動だにせず未だポケットに手を突っ込んだままボケーと立ち尽くしている。
そのおっちゃんの態度にある種の不気味さを感じたのか、ドライバーは作業の手を止め少々声のトーンを落として、「なんで仕事をしないのか?」と尋ねる。
おっちゃんは無言であり、以前ポケットに手を突っ込んだままである。
ドライバー「ただ立っている仕事なんてないだろう!なんで手伝わないの。」
おっちゃんは無言であり、以前ポケットに手を突っ込んだままである。
ドライバー「もう給料払わないよ!本部に電話するけどいい?」
おっちゃんは無言であり、以前ポケットに手を突っ込んだままである。
そんなやり取りに目が釘付けになる私も仕事中なのであり、ボケーとその光景を眺めているだけなのである。
事の顛末を目届けたかったのだけれど、こちらも仕事中の身。
この情景をただただ眺めているとボケーっと突っ立っているおっちゃんと同じなのである。
とりあえずボケーっと突っ立いてるおっちゃんの主従関係の謎は分かったので仕事に戻る事に・・・
それにしてもなんで仕事を放棄したのだろうか。
そして上司に叱責されているのにも関わらずポケットに手を突っ込んだまま身動き一つしなかったのだろう・・・
そのおっちゃんの真意のほどが気になる今日この頃です。
ではでは。