実は怪談話が大好きなんですよ。
稲川淳二さんの怪談話とかね。
全国の旅先で聞いたご当地にまつわる怪談話を聞いているとちょっと旅した気分にもなったりします。
旅館でのエピソードや、旧国道の話、ご当地のお地蔵さんの話などなど。
その土地土地の奇習、風習やら言い伝え、伝説、歴史上の出来事などに関する怪談話は怖いというよりも民俗学的な面白さを感じたりするもんです。
稲川淳二さんがシーズンオフになると行っているという心霊探訪。
冬から春にかけて、全国を巡り話の断片を集めるのだそうだ。
様々な場所で話を聞くうちに断片だったものがある程度の仮設が見えてくるのだそうな。その様々に言われる体験の断片をまとめるとそもそもはこういう話がもとで、このような事象が起きているという具合。
そんな話を求めて全国を巡る旅っていうはさぞ面白いだろうなぁ。
なんて思ったりする。
まぁ怪談話を聞いているだけの私なのでのんびりとそのように憧れるのだろうけど。
とうの本人としてはそんな旅行気分じゃないのだろうけど。
で、前置きが長くなったが、地元の本屋で平積にされていたのでちょっと気になって手に取った本がこちら。
田辺青蛙著「関西怪談」である。
大阪在住のホラー作家とのこと。
本屋で前書きを読んでみると・・・
大阪と京都とそれぞれの町をふらふらしながら数十年を過ごしてきた。
小さい頃から何んとなしに集まった不思議な話が、ある日それなりの数になっていることに気が付いた。
ぼんやりと日々を過ごしてきた土地に、こんな不思議な話があったんだと驚かされることがまだまだ多い。
この企画を切っ掛けに、大阪や京都の話のしていこうかなと思っている。
おぉ~。
これは私の大好きなその土地土地にある言い伝えや風習、出来事に関する怪談話を収めた短編集ではないか。
って購入してみて1話を読んで驚いた。
偶然にも私も体験していた大阪天満界隈で起きた出来事が1話目に掲載されていたのだ。
それは3年ほど前の出来事である。
当時私は大阪天満の扇町公園あたりで仕事をしていた。
ふと電信柱に目をやると・・・
誰か分からぬおじいちゃんの顔のシールが貼れてある。
こんな感じで普通の電信柱に・・・
何これ!気味悪い。
で、ちょっと意識して回りを見てみると・・・
ここにも!
ここにも!
ここにも!
えっ!えっ!なにこれ。なにこれ。
ナニコレ珍百景に登録かなぁ。
なんてことはさておき、非常に気味が悪い。
著書の田辺青蛙さんもこのシールの被害にあったらしく。
天満市場で買い物中に駐車スペースに停めてあったベビーカーにこのような見知らぬおじいちゃんのマグネットシールが貼られていたとのこと。
どうやらこのマグネットシールは天満界隈に出没しているとのことで。
地元の人は「連絡まつ村」といっているそうだ。
おじいちゃんの顔写真に連絡まつと記載されたマグネットシールが大阪の天満界隈に大量に貼られていたことから、この現象を「連絡まつ村」といっているらしい。
私が目撃したのはマグネットシールには「連絡待つ」というバージョンは見つけられなかった。
ただ、気になったのはこのおじいちゃんのハゲ具合が進行していること。
マグネットシールによってはおじいちゃんのハゲ具合が全然違う。
こりゃ数年に渡っての犯行だな。
本の著者も書いているが、大阪天満界隈のいたるところにこのマグネットの目撃報告があり、それほどの数を町中に貼るのは相当な熱量。
あまりの多さに底知れぬ執念を感じ、気味が悪いったらありゃしない。
当時はこの現象に名前がついているなどとも知らず。
この本を読んで「連絡まつ村」というネーミングがついていることを知った。
試しにネットで「連絡まつ村」と検索してみると・・・
古くは2009年頃からその目撃情報がある。
そして最近では2019年にも目撃情報が・・・
けっこうネットでは「連絡まつ村」事案としてことの真相を訪ねる記事が多数見受けた。
だが、その真相、シールの意味の謎を解いたものはなく。
いまだにこのシールの真相は不明。
この本によると最近では新たなおじいちゃんのシールの目撃はなく、事態は収束しているようだ。
が、結局この「連絡まつ村」事案は謎のまま。
いったいどこの誰がこのシールを作成し、なんの目的で天満界隈に広めてのか・・・
本当に奇妙な事案である。
あっ!ちなみにこの「関西怪談」ですが、サクッと読めるエピソードが多く、身近な場所の豆知識ともなり、素敵な本です。
なかなかこのような本って出くわさないんですよね。
ってことで今日はこれまで。
ではでは。
「連絡まつ村」事案について知っている情報をお持ちの方があれば、コメント欄にて情報をいただければと思います。