親族の火葬後に「さぁ、あなたも骨を噛んで食べなさい。」
なんて祖母に言われたらどうだろうか。
いくら親族とはいえそんなアブノーマルな行為はできないよ。
っていうかおばあちゃん何言ってんのさ。
ってなるんだが、おったまげたことに1980年頃までこのような習俗が残っていたらしい。
でも一部地方の奇習でしょ。
ってわけでなく戦前には日本のあらゆる地方で行われていたそうだ。
この行為を「骨噛み」という。
また、葬式に行くことを「骨噛みに行く」とも言っていたそうな。
故人に対する追悼、もしくは故人が永遠に自分の肉体の中に残るよう。
あるいは長寿を全うした故人の生命力や、崇敬を集めていた故人の能力をあやかるためなのだとか。
葬儀以外でも人の骨灰を飲む習俗があったのが愛媛県越智郡の大島。
この地では人の骨灰は「万病に効く妙薬」として民間療法であったそうな。
そりゃ古い言い伝えなんじゃない。
とも思うのだが、昔は土葬が当たり前。
火葬を行うのは近代になってからなので、わりと近年になってから言われ、行われていたことのようだ。
骨噛みでサクッと調べてみると、昭和のヤクザ映画でも骨噛みのシーンがあり、勝慎太郎、高倉健、平野レミさんも親の火葬で骨噛みの経験があるのだとか。
最近、目まぐるしいスピードで社会常識が変わり「少し前の常識は今の非常識」って言うぐらいの世代ギャップが著しいと感じるわけだが・・・
いやいやどうして、昭和時代に普通に行われていた「骨噛み」という習俗に昭和生まれの私が衝撃的なギャップを感じたという話でしたとさ。
ではでは。