- 大隈重信、桂小五郎も訪れた今井町の町並みを探索
- 映画「燃えよ剣」の撮影現場、重要文化財高木家住宅
- サントリー緑茶『伊右衛門』のCMのロケ地、重要文化財旧米谷家住宅。
- 今井町屈指の大富豪、豊田家にて鳥肌もののエピソードを聞く。
- 古都奈良を描くダイナミックな画家、星 伸二さんを知る
- 最後に。
大隈重信、桂小五郎も訪れた今井町の町並みを探索
さてさて、今日は奈良県の重伝建である今井町へ。
コロナ前に何度か訪れたことがあるのだが、コロナ後は初めて。
今井町には約500件の伝統的建造物が存在しており、数としては日本一を誇る。
また、国の重要文化財が9件、県指定文化財が3件、市指定文化財が5件もある重伝建地区。
築200年以上の建物の中を無料で拝観出来る場所もあるし、一部有料の場所もある。
ここは今井町の中核となった称念寺。
明治十年(1877年)2月に明治天皇が2夜3日駐泊されたそうな。
その時に西南の戦争の勃発を知らされたそうな。
真実かどうかは分からないが、その時、大隈重信や桂小五郎も同行しており、大隈重信はこの今井町で着物を購入したという話を聞いた。
今井町では様々なNHKあさドラの撮影が行われている。
「あさが来た」「ごちそうさん」など。
映画「燃えよ剣」の撮影現場、重要文化財高木家住宅
この重要文化財高木家住宅で岡田准一主演の「燃えよ剣」の撮影が行われたそうな。
この住宅はもともと酒造業、醤油業で財をなし、大名貸しもしていたらしい。
築200年という住宅。
この家は当時、武家にしか認められなかった書院造りの客間もある。
というのもこの住宅は今の天皇が昭和57年、皇太子殿下の時にご休憩をされた由緒正しいお家なのだ。
名のある大名にもお金を貸していたらしく、天井は刀を振り回されないよう低くなっている。
この2階で「燃えよ剣」の撮影がされたそうな。
で、この階段箪笥を岡田准一が演じる土方歳三が駆け降りるというシーンが撮影されたそうな。
あまりに急な階段なので、あの運動神経抜群の岡田准一もかなり怖かったと言ったそうな。
しかし、この住宅の案内係のおばちゃんがかなり話芸が達者な方であり、知識も豊富。
「大和の金は今井に七分」「金の虫干し玄関まで」などすごく詳細に今井町の歴史を教えていただいた。
サントリー緑茶『伊右衛門』のCMのロケ地、重要文化財旧米谷家住宅。
さてさて、続いてはサントリー緑茶『伊右衛門』のCMのロケ地である旧米谷住宅へ。
ここの無料で拝観が出来る重要文化財。
ここは18世紀中期の建物だそうで、先ほどの「燃えよ剣」のロケ地であった高木家住宅と比べると垢ぬけた感じではなく、居間はふすまではなく木の扉である。
文化的にもかなり古い住宅なんだな。
で、この縁側でサントリー緑茶『伊右衛門』のCMが撮影されたそうな。
草彅剛、本木雅弘、宮沢りえ、ドリフターズなど、あの『伊右衛門』のCMシリーズがこの場所で撮影されていたんだな。
天井がめちゃめちゃ高い。
この土間の広さもかなり古い造りの家だと分かる。
今井町屈指の大富豪、豊田家にて鳥肌もののエピソードを聞く。
さてさて、続いては今井町屈指の大富豪であった豊田家住宅へ。
豊田家は主に肥料・綿・木綿を扱う一方で両替商・大名貸しも行っていたそうな。
こちらは豊田家の記念館。
普段は撮影禁止なのだが、この日は他のお客さんもおらず、案内係の人が撮影をしてもいいとのこと。
豊田家は奈良だけでなく紀州の大名にもお金を貸していたそうな。
なので各大名からいろいろ貴重なものを頂いたそうで・・・
この双六なんかも綺麗な状態で保存されている。
こちらは架空の動物である獏を描いた枕。
なんか件(くだん)のような形相だわ。
で、こちらには石原良純さんも訪れたようでサインが展示されていた。
で、こちらが豊田家の住宅。
案内係の人曰く。
12代目が3年前まで住んでいたらしく、畳や床は補修されているのだという。
驚くはこの住宅、1662年築の建物で、今井町で一番古い建物なのだということ。
「これは今井町が買い取ったものですか?」
と尋ねると・・・
なんと、「個人所有の建物です。」とな。
聞くと、12代目にはあととりがいなく、12代目が亡くなる前に財団をつくったらしく、その財団が管理、保全をしているという。
しかも重要文化財に指定の話もあったのだが、指定されると自分が住みにくくなるという理由で断ったらしい。
財団を作るほどの資産があるのなら、もっと便利で現代社会にあった住宅を建てることも出来たろうに・・・
そこまでご先祖様が残したこの住宅に拘り、自分が亡くなった後も後世に残す手筈をとったとはちょっと鳥肌もののエピソードなんですけど。
この梁の太さとうねりが歴史を感じる。
この家を維持するにはさぞお金がかかったことだろうなぁ。
土間は創建当時のままなんだとか。
この凸凹とした土間の形状にもいろんな歴史があるんだろう。
歴代の住人の声が染みているんだろうな。
古都奈良を描くダイナミックな画家、星 伸二さんを知る
さてさて、只今奈良の町屋の芸術祭として「はならぁと」という催しが行われているそうで・・・
ちょっと立ち寄った見たら衝撃だった。
星 伸二さんという作家の作品のようで奈良の町屋である今井町や五条新町を描いたスケッチがかなりダイナミックで手書きの線が経年劣化で微妙に曲がった建物の屋根そのもの。
この作風凄くない。
荒々しくもあり、堅剛な暮らしを営む人間の強さの感じるよね。
京都にはない奈良らしさをビンビンに感じる作品だわ。
ちょっとまじでこのスケッチ欲しいんだけど。
価格は5万円~7万円台で買えるそう。
いやいやこれは無茶苦茶いい出会いだったわ。
作家の方にも少しお話をさせていただき、とてもいい時間を過ごせたなぁ。
最後に。
この日は地元の神輿祭りが行われたので、ちょっと路地の隙間から撮影。
今井町を散策していると解体している場所があった。
タイル張りの壁から想像するにこれは元銭湯なのだろう・・・
さぞかし歴史を感じる趣のある銭湯だったのだろうな。
毎度のことですがこの地で暮らさらない観光客の無責任な発言がでそうだわ。
「もったいないなぁ」
で、そろそろ昼も超え、お腹が減ったのでこの古伊というお店へ。
二回目の訪問だな。
このお店もかなり古い造りのお店。
で、頂いたのは山菜そば550円。
いや~風情のある古民家でお蕎麦を頂くのはいいものですな。
ってことで今日はこれまで。
ではでは。