さてさて、今日は大根炊きが行われるとのことで奈良県信貴山の朝護孫子寺へ行ってきました。
大根炊きとは京都の師走の風物詩として、京都の寺院で無病息災を願う年中行事。
関西のニュース番組でも師走になると大根炊きのニュースが報道されたりします。
大根炊きが始まると「あぁもう年末かぁ~」なんて思ったりしますが、関西以外の人はあまり知らない行事でしょうね。
さて、なぜ大根を炊くんだ。
江戸時代の書物『本朝食艦』には、大根は「魚肉の毒、酒の毒、豆腐の毒をくだす」としるされているらしい。
解毒作用があり、栄養価も高いことから健康野菜として「大根どきの医者いらず!」とのことわざが生まれるほど。
そんな大根を食べて無病息災を祈願しようと、鎌倉時代のお坊さんが大根の切り口に梵字を書いて魔除けにしたことが起源。
その魔よけの大根を炊いて参拝者に振る舞ったのが大根炊きのはじまり。
ちなみに「炊く」って方言なの?
「大根を炊く」「大根を煮る」どっちがなじみがある?
関西では煮物を「煮る」ではなく「炊く」が一般的。
おかん!今日の晩ご飯何?
今日は大根の炊いたん!
なんて感じなんだな。
方言ではないらしく古語のようなものなのですが、いつの間にか関西中心でしか使われなくなったそうな。
「炊く」の語源は「食事を作る事」から来ており、現代でも神社の食事を作る場所は「炊(かしぐ)殿」という。
で、ここ奈良の朝護孫子寺では1000円でゴマ木を購入して祈願すれば大根炊きの大根が食べれるんだな。
さて、美味しい大根の炊いたんを頂いた後は、ゴマ木のお焚き上げ。
神職と山伏による読経と共に燃え上がる炎。
佛教大学の教授によると、昔の人は日照時間が短いこの時期、太陽の力が弱まり、人が生きるエネルギーも枯渇すると考えていたそうな。
そのため日照時間が一年で一番短い冬至に合わせて、火を焚いて枯渇したエネルギーを補おうとしたそうな。
なるほど、日照時間が短い時に、栄養価の高い大根を食べて、火を焚いて生きる力を補充する。
それが大根炊きであり、お焚き上げなのか。
昔から日照時間と人の健康との関係を感じていたんですな。
現在では科学の力で日照時間が短いと体内時計が狂いやすいとかストレスをコントロールするセロトニンが不足するとかビタミンDが不足するとか言われていますが、昔の人も何かしら体の不調を感じていたんですね。
ちなみにお焚き上げに行く際はダウンコートを着ていたかないほうがいいですよ。
着ていく際は火の粉でダウンに穴が開くこと覚悟でね
ってことでみなさん大根を沢山食べて健康増進しましょうね。
ではでは。