- 「男はつらいよ」のロケ地「湯の山温泉」をブラブラ散策、廃ホテルとか廃旅館とか。
- 廃ホテルや廃旅館ばかりじゃないよ。文化庁登録有形文化財 寿亭「水雲閣」
- 野生の猿に出くわすエピソード
- 三重県の蕎麦の名店「菊井」で人生初めてのそばがきを食べる
「男はつらいよ」のロケ地「湯の山温泉」をブラブラ散策、廃ホテルとか廃旅館とか。
さてさて、今日は三重県の温泉地、湯の山温泉へ。
昭和の頃には全国区の温泉地として人気があり、全盛期には年間100万人が訪れたと言われている古き良き温泉地。
観光センターの駐車場に車を停めて、涙坂と呼ばれる坂の少し登ると見えてくる温泉街。
今でも昭和風情が残る町並みが素敵な湯の山温泉。
しかしながら近年、レジャーやアミューズメント施設の多様化や交通網の発達で人足が遠のいており、御在所岳の麓に密集した数々の宿泊施設は廃業している場所も多く、かつての昭和の賑わいを色濃く残す廃ホテルや温泉宿がその頃の繁栄を物語っている。
昭和45年に公開された「男はつらいよ」第3作の「 フーテンの寅」ではここ湯の山温泉がロケ地として撮影された。
旅館翠月がロケ地だったそう。
こちらが「男はつらいよ」のロケ地となった旅館翠月。
涙坂から涙橋を渡ってすぐに見えてくる旅館。
湯の山温泉を象徴するような旅館なんだけどオフシーズンだからか営業はされていないみたい。
旅館翠月と御在所ロープーウェイ。
こちらが御在所ロープーウェイの乗り場。
6年前に来たときは海外の観光客が沢山いたんだけど・・・
今日は全然人がいない。
ちなみにロープーウェイ乗り場の前にはモンベルのお店があったりする。
ロープーウェイ乗り場から眺める御在所岳の麓に密集する湯の山温泉街の全貌。
この狭い急斜面に全盛期には約20軒ものホテル、旅館がひしめきあって営業をしていた。
全貌を眺めるとまず目につくのがこちらの廃ホテル。
湯の山温泉の中でもかなり大きなホテルである。
鶯花荘(おうかそう)というホテルで創業は昭和39年(1964)。
設計はパリ万国博覧会で、日本館の設計を手がけた建築家「坂倉準三」ということからかなり力を入れたホテルであったのだろうという事が分かる。
バブル崩壊後、2000年前半には廃業したとのこと。
廃業して約20年もこのまま放置というのも問題なんだな。
昨年の2022年にはこのホテルで不審火による火災もあったそうな。
続いてこちらは河鹿荘(かじかそう)
昭和6年(1931)創業の老舗旅館だけにかなり味わいある雰囲気の旅館。
こういう味わいある旅館がなくなってしまうのは非常に残念。
崖にへばりつくように建っている旅館河鹿荘(かじかそう)。
客室の眼下には湯の山を流れる川が一望できる好立地。
客室からの眺めはさぞ解放感のある絶景だったんだろうな。
かつてはこの温泉街で働く人のアパートだったのだろう。
集合住宅も今は人が住まないまま。
さて、車も通れない石階段の道を行くとこれまた風情のある旅館が見えてきた。
かつて宿泊客を出迎えていたであろう玄関の屋根が崩壊している。
この宿は杉屋という屋号で創業は江戸時代の貞享じょうきょう4年(1687)と言われている。
かなり雰囲気のあるお宿であったことだろうな。
玄関から下に降りる階段もあり、坂を利用した複雑な階層構造だったに違いない。
室内にあるカーテンが風で揺れる様がなんとも不気味なんだけど。
ちらっと中を覗いてみるとガスコンロがそのまま残っていた。
廃ホテルや廃旅館ばかりじゃないよ。文化庁登録有形文化財 寿亭「水雲閣」
湯の山温泉がいくら人足が遠のいているといっても廃ホテル、廃旅館ばかりじゃないからね。
歴史ある現役の素晴らし旅館もあるんだよ。
ここ、なんともいい感じの建物。
ここ寿亭の水雲閣は昭和4年に建てられた入母屋(いりもや)造りで登録有形文化財にもなっている。
寿亭は日帰り温泉も可能で今でも人気の温泉宿。
大正4年、1915年には志賀直哉もしばらくこの宿の松仙閣に滞在し短編小説「菰野(こもの)」を書いている。
野生の猿に出くわすエピソード
さてさて、湯の山温泉をブラブラ散策していると・・・・
おや!あれはサルかぁ~。
おお~。
野生のニホンザルだわ~。
あまり近づきすぎると襲ってきやしないかと恐る恐る撮影をしていると・・・
窓辺でくつろいでいた地元のおじさんが・・・・
「あんたの真後ろにもう一匹サルおるで~」と
「すぐ後ろにおるで~」と声を掛けられた。
びっくりして後ろを振り返ってみると屋根の上にもう一匹サルがいる。
しばしこのおじさんと談笑。
どうやら作物を作ってもこのサルたちに食べられてたいそう迷惑なそうな。
もうこのサル達との共存を覚悟しているみたいでサルが近くによってきても無視をするおじさん。
今日は小正月やから裏山で宴会をしてそれなりにほろ酔いのよう。
とりあえず作物を食べ荒らすのと、屋根の上が食べ残しや糞で汚されるのが面倒なようだ。
三重県の蕎麦の名店「菊井」で人生初めてのそばがきを食べる
さてさて、湯の山温泉から車で約7分のお店「蕎麦 宿 菊井」。
いやいや、大阪からわざわざ3時間かけて湯の山温泉まで来たのはこのお店の蕎麦が食べてみたかったからというのもけっして大げさではないんだな。
お店には14時前に到着して、待っていたのは1組だけ。
これなら食べれるかなと待ってみる。
で、みなさん「そばがき」って食べた事ある?
そばがきって「柿」?
なんて方も多いかと思いますが、鎌倉時代には食べられていたそうで、蕎麦屋の酒のつまみとして食べられているのが「そばがき」なんです。
しかし、「そばがき」なんてそうそう食べれるお店がないわけですが、ここ湯の山温泉近くの「蕎麦 宿 菊井」ではその「そばがき」が食べれるとのことでやってきた。
注文したのはそばがきもそばも頂ける花膳というセットで2000円。
店内は落ち着いた和室にテーブルが並べられている。
まず運ばれてきたのが「そばがき」と香の物。
ほほん、こればそばがきかあ。
人生で初めて食べるそばがき。
食べ方は暖かいうちにこのそばつゆをそばがきに直接かけて食べるのだとか。
冷めると固くなるので温かいうちに食べるのがいいそう。
味はなんともシンプル。
とろろいものような食感でお餅のような歯切れという感じ。
癖のないあっさりとしたそばつゆとワサビが鼻から抜ける感じ。
これは面白い食感だこと。
続いてテーブルに運ばれてきたのはざるそば。
まずは塩で頂いてくださいと言われて塩を少々ふってそのままそばを頂く。
美味い。
玄蕎麦1に対し丸むき3の割合で使用しているという蕎麦。
その歯ごたえとぷつりと切れる蕎麦の食感がなんともたまらない。
続いて、ワサビを直接蕎麦につけてそばつゆでいただく。
そばつゆのあっさりとした味がなんとも食をすするのだ。
鼻から抜けるワサビの風味とそばの食感、口当たりがなんとも絶妙だ。
こりゃ癖になる。
続いてはそばゆ。
とろみのある濃厚なそば湯をそばつゆに足していただく。
なんともあっさりとしたお味。
あれっ!あれほど満足したそばつゆなんだが、これほどまで薄味だったかなぁと思う。
なんとも不思議なそば湯だわ。
で、最後はそば団子。
何、これは想像していたそば団子とは違うんだけど。
とにかく熱いから少しずつ食べてねと言われ・・・
恐る恐る細かく食べたんだけど、このきな粉といい、中のあんこといい熱々のそば団子がこれまた珍しく美味しくいただいた。
いやいやこうのような蕎麦メニューを提供するそば屋は全国的にも珍しいので大阪から約3時間かけてやってきた甲斐があったものだわ。
ってことで今日はこれまで
ではでは。