大阪で山岳信仰の霊山として有名なのは泉佐野市にある犬鳴山である。
また、大阪の信仰宗教の廃寺群といえば生駒山の朝鮮寺などが有名であるが・・・
それらとは違う場所で霊山であり信仰の名残りがある場所を偶然発見したので紹介したい。
が、その霊山はもうお世話をする人がいないようで、かなり山道が荒れているのでその場所の名は伏せておきたいと思う。
心霊スポットとして気軽に訪れる人が出てくると危険だからだ。
先週末のことである。
私は地元で一番のパワースポットだと自分で勝手に思っている神社へ参拝をした。
山の麓にあり、住宅の脇道から参道の山を登っていくこと、約10分程度で別世界のような自然に囲まれた場所。
祭殿の奥の山の中の巨大な岩に祠が祀られており、岩盤の上に本殿が鎮座している様相から見ても、原始信仰を起源とする古い時代からの信仰場であったのだろう。
祭神は天照大神である。
境内には滝行をする場所もあることから山岳信仰の場所でもある。
その神社にお参りに行った帰りのこと。
神社の狭い駐車場の入り口辺りに山に入る登山道らしき道がある。
この山はいくつものハイキングコースがあるので、その中の一つなのかな。
そう思った私は、その登山道らしき山道を登っていった。
登山道の入り口には・・・
この山は神山なので火気厳禁、また昆虫や植物を持って帰らないこと。
みたいな注意書きがあった。
登山道に入っていきなり雰囲気が違った。
石仏や祠があちらこちらに・・・
世話する人がもういないのだろう。
湯呑やロウソク立てが山道に転がっている。
山道を登っても登っても、石仏や祠だらけ。
お世話をする人がいなくなった地蔵や石仏は無縁仏の可能性があるので手を合わせないほうがいいと以前に聞いたことがある。
ここは一体なんなんだ・・・
そう思いながら、ハイキングコースに繋がってないかと登っていくが・・・
木々が生い茂っていて、薮なのか登山道なのか判断が付きにくい。
こちらが登山道なのだろうと登っていくと・・・
目の前に現れたのは廃墟。
社務所?
それとも修行道場?
いつ頃に見捨てられたのか定かでないが、壁が崩壊しており、室内が丸見えの状態。
室内には大きな祭壇?仏間?と思われる大きな部屋があり、ふと見ると雅楽で使われる太鼓が残されていた。
雅楽から考えるに祭壇だったんだろう。
ここは神社だったのか。
でも、これまでの石仏はどう考えても仏教なのだが。
廃墟をさらに山の奥へと進んでいく。
すると山の中に少しだけ開けた場所に出た。
山を見上げると山の中には不釣り合いな立派な石で出来た大きな鳥居が二つ並んでいる。
お社はない。
白瀧大神と書かれた石碑があるだけ。
白瀧大神といえば白蛇さんか・・・
周りには白木大神、白姫大神と書かれた石碑も・・・
こちらはお稲荷さんか・・・
また、八大竜王と書かれた石碑もある。
こっちは法華経か・・・
ここは神道と仏教と山岳信仰が融合した権現さんの場所なのか・・・
人の気配はまったくない。
かなり昔に世話する人がいなくなったのだろう。
さらに山の奥に進もうとした時。
足元に転がっていたロウソク立てを踏んでしまった。
なんか罰当たりだな。
そう思ってロウソク立てを石仏の足元に戻した。
ここからは山道というよりは古い石段を登る。
石段を登った先にあったのは・・・
横穴式古墳。
古墳の前に灯ろうのようなものが2つ建っている。
中を覗くと、横穴式古墳の奥に石仏が・・・
いやいや古墳の中に石仏を入れて拝むなんて聞いたことないけど。
そういうのが昔にあったのか?
さらに石段を登っていくと・・・
また横穴式古墳が。
同じく古墳の前には灯ろうがあり、中には石仏が祀られている。
なんだここは。
冒頭で述べた犬鳴山のような修行場であったような気がするが・・・
この山のいわれが気になる。
いつ頃まで修験山として人が来ていたのであろうか。
結局、ハイキングコースに繋がることはなく、横穴式古墳からは道がなく引き返すことに。
戻ってGoogleMapでこの場所を調べてみたが、古墳群という表記だけで、霊山なのか、修行の場であったのかは分からなかった。
まぁこのような信仰の場所だからパワースポットではあると思う。
ここの土地神様として土地を守っておられるに違いない。
決して心霊スポットではないので夜中には近づかないでいただきたい。