
さてさて、みなさん11月5日が国連が制定した「世界津波の日」という国際デーであることをご存じだろうか。
大阪に住む私にとって11月5日は「大阪880万人訓練」の日
という印象が強い。
朝10時ジャストに大阪に地震発生。
10時3分に大阪府より「大津波警報」発表され、けたたましくケータイに緊急速報メールが来る。
10時5分、今度は各市町村から避難指示命令の緊急速報メールが来る。
緊急速報メールはケータイがマナーモードでも鳴るため、電車の中などは不意打ち気味に全員のケータイがなるという。
不謹慎な言い回しになるが11月5日朝10時の大阪の風物詩だ。
前置きが長くなったが、11月5日が「世界津波の日」となった由来が和歌山県広川町の稲村の火ということで、和歌山県へとやってきたわけである。

和歌山県有田郡の最南端の小さな町、広川町。
風情ある静かな海沿いの町。
その町の細い街道を不釣り合いな大型観光バスが行きかう。
そう、ここ広川町には津波防災を学ぶ施設「稲村の火の館」という町営の施設がある。
小学生の防災学習施設として近畿圏の小学校から沢山の大型バスでやってくるのだ。

で、こちらが「稲村の火の館」に併設されている濱口梧陵(はまぐち ごりょう)記念館。

松明を持って何か叫んでいる人物。
こちらが濱口梧陵(はまぐち ごりょう)である。
広川町の英雄であり、私財を使って被災者救済と被災地復興のどちらもなしと遂げた偉大な人物。
ちなみにあのヤマサ醤油の七代目当主である。

さて、濱口梧陵(はまぐち ごりょう)記念館の前にある碑。
この文字を書いたのが小泉純一郎元内閣総理大臣だとは・・・

入館料は大人500円とのこと。

早速入ってみる。








「稲むらの火」は教科書で習った人もいるのでは。
11月5日、日が落ちた真っ暗な村。
津波に巻き込まれた人々は暗くてどちらの方向が陸なのかもわからなかった。
そこで濱口梧陵は村の若い衆に稲村に火をつけろと指示。
津波に流されながらもなんとか家財道具につかまって生き延びた人々は、山の高台の天満宮まで続く、稲村の火を頼りに高台を目指して避難が出来たという。
その後にやって来た津波の第2波は第1波よりも大きかったそうだ。


この「稲村の火」のエピソードは今NHKの朝ドラ「ばけばけ」でもやっている小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が書いた「A LIVING GOD」にも津波から村民を守り、村に貢献した神としてまつられた濱口梧陵の活躍が描かれている。


先にも言ったが濱口梧陵は今のヤマサ醤油の7代目当主である。

その私財を堤防造成という事業につぎ込み、津波で職を失った村民を雇い、被災地復興を自費で支援したのだ。


その堤防がこちらの広村堤防。
日本遺産として今でもそのまま残されている。

木造の資料館を進んで行くと、突然コンクリートのモダンな建物へと直結している。
こちらが津波防災教育センターだ。
濱口梧陵記念館と津波防災教育センターとを合わせて「稲村の火の館」と呼んでいるらしい。

こちらでは津波の破壊力が分かるミニチュア模型や。

10m級の津波がどれほど高い津波であるかが視覚的にわかる展示がされている。
ここで、ぜひ見てほしいのが3Dシアターの映画である。
私も恥ずかしながら小学生の団体に混ざっておっさん一人で鑑賞したが泣けたわ。
2011年の東日本大震災から14年が経過。
当時は「津波でんでんこ」など奇跡的に津波から逃れた小学校の全校生徒が守った教えや日頃からの津波教育が話題になった。(中には大川小学校の悲劇もあったが。)
東日本大震災から14年が経ち、私の中でも記憶と関心が薄れてきたことを感じる。
あらためて、大切な事なのでおさらい「津波でんでんこ」とは。
津波がきたら、自分の命は自分で守れ。
家族の心配はするな。
各自バラバラに高台を目指せというもの。
結局、家族の心配をして探しに行って津波にのみ込まれるのだ。
また、
ハザードマップは信用するな。
ここなら安心という場所はない。
出来る限り、全力で高い場所を目指せ。
また、
「率先避難者になれ」
想定にとらわれるな。自分だけは大丈夫という考えを捨てる。
最善を尽くせ。周囲に流されず自分の判断で誰よりも早く非難する。
周囲の人々に避難を呼びかけよ。誰かが率先して避難を呼びかけないと誰も避難しない。
このような考えが「津波でんでんこ」
助かった小学校では日ごろからこのような教えを腹の底に染みるほど学習していた。
なので、家族で避難場所を決めておき、地震が来たら、家族一緒にではなく、家族バラバラに避難場所での再会を約束するのがいい。





天皇陛下もこの地を訪れたんだな。
いやいや小学校の防災教育に人気の場所ってのが改めて分かった。
そして広川町が津波防災を全世界に発信し続ける熱量も伝わった。
だからこそ、なんだか目頭が熱くなる。
そんな施設だったとさ。
今日はこれまで。
ではでは。



