奈良県南部を流れる1級河川「吉野川」。
その北岸、吉野川に沿うかたちで通っているのが旧紀州街道。
ここ新町通りは伊勢・大和・紀伊を結ぶ交通の要衝として、伊勢街道、紀州街道を往来する旅人の宿場町として栄えた町。
東西約750mの通りには現在、約110軒の建物があり、伝統的建築物として特定されている建物も多い。
ちなみに2010年に国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されている。
新町通りの情景
観光する人も少なく、町並みはとても静か。
通りの真ん中あたりに無料の観光駐車場があるが、5台ほどしか駐車スペースがないので早い者勝ち。
大正時代創業の餅商一ツ橋。
残念ながら2018年11月に閉店されたもよう。
人一人しか通れないであろう脇道などもありました。
鉄道模型のジオラマを展示しているお店も・・・
新町通りと鉄道って何か関連があるのだろうか・・・
幻の五新鉄道
新町通りをまたぐように陸橋のようなものが・・・
陸橋の上を車や人が通る姿もなく・・・
橋脚につけられたプレートを見てみると・・・
幻の五新鉄道!
だから鉄道のジオラマだったのか!
戦前に奈良県の五條駅と和歌山県の新宮駅を結ぶ国鉄路線が着工されていたとは。
こりゃ知らなんだ。
って、今でも頻繁に通行止めが起きる吉野、熊野の山々を超えて新宮まで路線を結ぶなんて今では到底考えられないけど!
いったい五條から新宮まで何時間で往来する計画だったのだろうか。
明治末期、五條市から新宮市までを結ぶ「五新鉄道」の建設熱が高まりました。
昭和12年(1937)から着工され、吉野川横断の橋脚、生子トンネルの貫通までいたりましたが、太平洋戦争が始まり資材不足などの理由で、工事は中断されました。
戦後、工事が再開され、昭和34年(1959)に五條~新宮間の路盤工事が完成し、軌道敷設などの工事を残すのみとなりましたが、経済社会情勢などの変化によって、五新鉄道の夢は叶うことなく中断されました。
現在、跡地の一部は路線バス専用道路や、大学の研究機関による宇宙線観測所として利用されています。また、平成9年(1997)にカンヌ映画祭カメラドール賞を受賞した映画「萌の朱雀」では、五新鉄道と西吉野の雄大な自然などを物語りの素材に、平成20年(2008)に上映された映画「花影」では、主人公の故郷としてロケ地になりました。
ってか昭和34年に奈良県五條から和歌山県新宮までの路盤工事までは完了させてたんかーい!
いざ工事再開となった時にはすでに車社会の到来だったのだろうな。
しかも現在、宇宙線観測所として使われているってのもすごいな。
なお2016年には土木学会選奨土木遺産となっている。
いやいやマジでこの間に路線を開通させようとしていたなんて!
完成していたらと思うとロマンしかないわ。
ってことで今日はここまで
ではでは。