暮らしの顛末(くまくまコアラ)

50代サラリーマン、趣味は1人旅、バイクツーリング、写真撮影、温泉、銭湯巡り。 古い町並みが好きで歴史を感じる関西の各所をブログで紹介しています Canon EOS RとRICOH GR IIIを愛用して観光地巡りやら旅行、アウトドアで風景写真やらを撮っているミニマリストのブログ。 愛車は1号機DAHONのRoute。2号機Kawasaki Versys-X250。3号機TOYOTA のプリウス

能登半島地震の復旧を妨げる幹線道路の崩壊はこれまで国が国土強靭化のインフラ整備予算を削減してきたからでは。

能登半島には高規格幹線道路が全くなかった

さて、能登半島で起こった地震の復旧支援作業だが、珠洲市や能登町といった半島の先端エリアでは道路が寸断されていて支援が遅れている。

半島だから仕方がないという思われるかも知らないが、このような場所だからこそ道路といったインフラの強化整備が重要だったのではと思う。

今回の地震からインフラ整備問題は学ぶものが多くある。

 

これは2021年5月の日本の高速道路、高規格幹線道路の分布図である。

財務省が発表している資料なのだが、能登半島に高規格幹線道路がほぼないのが分かる。

高規格幹線道路の定義の中の一つに

■国幹道の重要区間における代替ルートを形成するために必要なもので、災害の発生等に対し、高速交通システムの信頼性の向上に資するもの。

というのがあるが、能登半島もふくめ、紀伊山脈、四国、九州、長野の山地エリアも空白部分があるのが気になる。

東京、名古屋、大阪、福岡を結ぶ道路網は充実しているが、他の都道府県は高規格幹線道路が1本、2本で繋がれているのみ。

能登半島に至っては高規格幹線道路が1本もないという道路インフラ状況だ。

これでは緊急事態の際に緊急車両優先の道路がなく、移動に時間がかかるのも目に見えている。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/06.pdf

 

内閣官房は国土強靭化を進めようと言っているがその予算は右肩さがり・・・

内閣官房は災害に強い国づくりとして、国土強靭化を推進し、道路ネットワークの強靭化や老朽化したインフラの整備を掲げているが・・・

主要国の他の国と比べて日本のインフラ投資のこの体たらくってどうなの?
他の国はインフラに投資しているけど、日本だけ20年間インフラ投資を削減してきた。
地震大国でありながら、地方へのインフラ強化を怠っていたことが、今回の能登半島の災害支援の遅れであらわになったんじゃないかな。

裏金を配っている場合じゃない。
地方の道路強化をするべきだわ。

長年、インフラ整備の予算を削減してきたからか、いざ道路を整備するぞって時に、建設・土木会社の数が足らないというじゃないか。

インフラへの投資をしなかったことで建設・土木会社が衰退し、いざ震災復興という場面で迅速な対応が出来ないという問題も浮き彫りに。

一概には言えないが、日本国内のインフラ投資が減少して見えるのはバブル期に巨額のインフラ投資を行って来たからかもしれない。
過剰なインフラ投資が落ち着いたという見方もできるのかもしれない。

www.cas.go.jp

www.mlit.go.jp

 

インフラ整備の今後の課題

とはいえ、これから先のインフラ整備状況がどうなのかというと。
現状を維持するだけでも将来の予算がたらないという試算が出ている。
災害時への対応どころではなく、普段の道路使用もままならない地域が出てくるという状況。

近年、車で走っていると、車線を示す白線が消えている場所や、一時停止の停止線が消えている場所を良く見かけるようになった。
道路整備に予算が回らないのだろう。
これは序章なのだ。
この先、トンネルや橋の老朽化、交通量の少ない道路の未整備。
ガードレールの未整備などが如実になってくるだろう。

今回の能登半島震災の復旧支援で見えてくる、道路の崩壊による孤立避難所への対応は、今後の日本の道路インフラ網の参考になるのだと思う。

平常時から道路のインフラ強化をすることが、災害時の迅速な対応を可能にするのであり、インフラに投資することで、地方へも経済的なお金の循環を生むのである。

これへの投資を怠ってきたことで、地方は衰退し、いざ災害復興という場面で手数が足らないということなったのかもしれん。

ということで、あまりニュースにはならない現状の能登半島含め、日本のインフラ事情への私なりに思う事でした。

ではでは。