大峰修行の開拓者である役行者小角。
山岳信仰の教祖として、関西圏の山深い寺社仏閣を訪れると概ね役行者小角が祭られている事が多い。
で、彼が何者であるのかという事は概ね理解をしているのだがその生涯がどのようなものであったかまでは知らない事が多い。
この本を読むまでに私が持ち合わせてた役行者小角の知識としては金剛山・葛城山で修業をし、鬼を弟子として自由に使う。
また超能力的な力を持ち、空を飛んだり、大きな岩を宙に浮かしたりと随分と不思議な力を持つ人という知識しかない。
子供の頃に熱心に読んだ藤川桂介による歴史伝奇ファンタジー「宇宙皇子」(うつのみこ)で得た役行者小角の知識しか持ち合わせてなかった訳だが、ちょっとその生涯が気になっていたので読んでみたわけです。
どうやら役行者小角は葛城の地の豪族であった賀茂氏の家系に生まれたのだとか。
葛城の地で生まれ、幼少の頃から葛城山や金剛山で修業をするようになり、そのうち大峰山や箕面での滝修業を始めたのだとか。
また鬼を従えたというエピソードがある役行者小角。
実は生駒山に現れた鬼なのだとか。
当時、生駒山系高安山に城を構築するとの事で沢山の人々が工事に従事していたのです。
奈良と河内をつなぐ暗がり峠や水越峠の人の往来も多くなり、鬼が人を襲う被害も多かったのです。
そこで役行者小角がその鬼を退治し、従わせたのが前鬼・後鬼なのだという。
前鬼と後鬼には5人の子孫があり、鬼たちの子孫は後に奈良県吉野郡下北山村にある前鬼の里に住むつくようなり、5人の子孫は山伏のための宿坊を構えて奉仕をしたのだとか。
大峰修行の道案内、宿の世話などが役行者小角から言いつけられた鬼達の子孫の務めなのだという。
また、後鬼はというと奈良県吉野郡天川村洞川に住んだらしく、洞川の人たちは後鬼の子孫なのだとか。
いやーそんなエピソードは知らなかったわ。
役行者小角に関する生涯のエピソードや伝説を読みやすく紹介しているこの書籍。
小難しさが全くなく、まるで童話のような紹介なので役行者小角に興味がある方にはおススメの書籍です。
役行者小角が気になる方はぜひぜひ。