さてさて、今日は奈良県大和郡山市にある大正時代の遊郭がそのまま残っている旧川本家住宅(町屋物語館)へ。
鬼滅の刃でも大正時代の遊郭が出て来るけど、実際に栄華を極めた大正時代のピーク時に建てられた遊郭ってどんな感じなのって興味があるわけでちょっと紹介したいなぁと。
旧川本家住宅は花街繁栄のピーク時である大正13年に建てられ、当時は珍しい木造3階建。
大和郡山市が8,700万円で買い上げ、7,800万円という予算を使って耐震補強を行い一般公開されているのだが、これがもう見事な意匠で上流花街の優美な世界にロマンチックが止まらいって感じ。
しかも無料で見学できるんだな。
まぁ写真をいっぱい撮ってきたので、百聞は一見に如かず。
とにかく詳しい説明はあとあと、まずはその素晴らしい建物を見てみてよ。
大正時代の木造3階建の遊郭「旧川本家住宅」
細い路地に入るとドドンと視界をふさぐように現れた旧川本家住宅(町屋物語館)
玄関を入る
右手の部屋が客引控室。
玄関を入って左に回ると娼妓溜と言われる部屋。
娼妓溜の部屋の向かいには2階へとつながる階段。
2階に上がってすぐにあるのが案内所。
髪結場と言われる小さな和室の窓から吹き抜けの眺め。
魔除けの意味があるのだとか、ハート型の猪目窓(いのめまど)が特徴的。
客間によって、格子のデザインを変えているのも凝っている。
3階へと続く階段。
3階へ。
こちらがお客様用の大階段。
こちらは1階の大広間。
こちらは中庭。
お風呂の天井にも意匠が・・・
それにしてもここまで天井を高く作るとは。
ほんと凝った作りだ事。
最後に帳場。
これはガス燈。
大正時代って木造3階建の建物の中にガス管を沢山這わして室内をガス燈で照らしていたんだな。
時代を感じさせる痕跡が残っていた。
「結核予防デー」と書かれたシール。
遊郭には病に伏せた女郎を休ませるための部屋なんかもあったそうで・・・
常連客が惚れた女郎目当てに頻繁に通っていたのだが、その女郎が母の看病のために国帰ったと聞かされた。
しかたがなく別の女郎と遊び一夜を過ごしたが、夜半にトイレに行きたくなった。
トイレだと思って小さな引き戸を開いてみると・・・
そこにはお目当ての女郎が横になっていた。
なんだぁ。おまえ国に帰ったんじゃなかったのか~とそのまま布団にもぐり込んだとたん。
今晩一夜をともにした女郎が慌ててやってきて、「あんた!何してんだよ!」
あんたのお目当ての子は2日前に死んだんだよ!
なんて怪談話があったりもする。
遊郭の建物を見学していると、当時の仕事の動線などか垣間見れる。
2階、3階は待合室や各客間として3畳ほどの部屋が並んでおり、6畳、8畳の座敷は旦那衆などの上客用だったのだろう。
2階へと続く階段が5つもあり、娼妓の仕事の動線、料理やお酒を運ぶ動線、お客を出迎える動線などが垣間見れた。
奈良の三大遊郭
奈良県の三大遊郭とは、奈良市にあった木辻遊郭。
そして大和郡山市の東岡遊郭と洞泉寺町遊郭。
木辻遊郭は日本最古の遊郭と言われ、大正時代のピーク時には10軒の貸座敷があり、娼妓の数は200人とも言われている。
また、今回訪れた旧川本家住宅がある洞泉寺町遊郭は大正13年がピークで、貸座敷17軒が軒を並べ娼妓の数は200人を超えたそうな。
また洞泉寺町遊郭は当初「又春廓(ゆうしゅんかく)」と呼ばれていたそう。
まさにこの建物は花街が一番繁栄していた時に建てられたものなんだな。
ピークは越えたものの、戦後、赤線として営業をしていたのだが、昭和33年の売春防止法により廃業、その後は下宿などで営業をしていたそうな。
2018年頃までは周囲に何軒かの遊郭の建物が残っていたのだが、かなり解体されてしまったよう。
少し時間が余ったので矢田寺へ。
さてさて、少し時間が余ったので近くの矢田寺へ。
奈良ではアジサイの矢田寺(金剛山寺)として有名なお寺。
なので今は完全にシーズンオフ。
お寺巡りにシーズンオフってなんて罰当りな言い方なんだ。
長い階段を登るとようやく本堂が見えてきた。
やはり人が少ない。
南僧坊を覗いてみると・・・
なんか可愛らしい厄除けがあるなぁと眺めていると・・・
閉まっていた木の引き戸が急にガラガラと開いておばさんが「ようお参りで。」と
え、いやいや、用事がある方はチャイムを鳴らすシステムだと思って、お守りをただ見てただけなんだけど・・・
なにしましょうって感じで人が出て来るとは・・・
こりゃ何も買わずにこの場を離れるのは気まずいなぁ。
一番お安いものを買ってごまかすかぁ~。
いやいやこりゃなんかの縁、やっぱさっき気になった厄除けに呼ばれたのではなかろうか。
そうそう、この厄除鬼の土鈴というやつ。
この白い鬼が気になって眺めていたんだよなぁ。
価格を見ると1800円。
ほほう、どうするかな~。
これください。
というと色のバリエーションが沢山あるそうで・・・
白がいいですとお願いすると・・・
在庫がなかなかないみたいで、ガサゴソガサゴソと裏で箱を確認する音が聞こえる・・・
なかなか戻ってこないなぁと思ったら、とりあえず白色の在庫がないので他のカラーバリエーションを全部持ってきたのだとか・・・
何個か見せてもらったけど、どれも表情が今一つ。
やはり、この白色に鬼に呼ばれたのか・・・
ではこの展示されている白色の鬼をいただくことは可能ですか。
展示物でもいいんですか?と
はい、この鬼が気に入ったので。
ということで私が興味を持ったそのものの鬼の土鈴をいただくことに・・・
ほんとこりゃ縁なのかな。
そしてあの鬼が今ここに。
さてさて、そろそろ腹が減ったので、矢田寺近くのそば処「御幸」へ。
店内は落ち着いた和食をいただく雰囲気ですな。
注文したのはざるそばと親子丼のセット。
1170円。
そして大好きな蕎麦湯。
蕎麦に期待をしすぎてはいかんよ。
親子丼は求めていた味だわ。
ってことで今日はこれまで。
ではでは。