暮らしの顛末(くまくまコアラ)

40代サラリーマン、Canon EOS RとRICOH GR IIIを愛用して観光地巡りやら旅行、アウトドアで風景写真やらを撮っているミニマリストのブログ。愛車は1号機DAHONのRoute。2号機Kawasaki Versys-X250。3号機TOYOTA のプリウス

奈良県のそばの名店「石臼挽蕎麦 かおく」。志賀直哉は「奈良にうまいものなし」というが奈良には蕎麦の名店が結構あるんだよ。

石臼挽蕎麦 かおく
奈良県の蕎麦屋で私が勝手に5本の指に入るだろうと思っているのがこの「石臼挽蕎麦 かおく」。
天理街道沿い、桜井市に近い場所、渋谷向山古墳(景行天皇 山邊道上陵)近く。
のどかな田畑が広がる天理山麓、山辺の道の景色の中にポツンとある蕎麦屋である。

一軒屋の風情を残しつつ、お店として営業をしているので一見お店とは思わないであろう外観。

お店の中も一軒屋の住宅そのもので、普通の玄関で靴を脱ぎ、広い玄関スペースは目隠しの和風の衝立とかがありそうなまさに田舎の和風建築の住宅。

居間に案内されると12畳と8畳ほどの畳敷きの二間を繋いだスペース。
お座敷形式でお蕎麦がいただけるというお店。

国産100%のそばを石臼で挽いた蕎麦は2種類あり、そば殻ごと挽いた「玄」とそば殻抜きの「抜き」。

そばの風味を堪能したい人に人気の「玄」は昼には完売となるので予約をして蕎麦を確保してからお店に行くのがベスト。

私はいつもその日の気分で行くのでいまだに「玄」にはありつけてない。

「抜き」しか食べたことがないがこれがめっぽう私の好みなのできっと「玄」を食べたとしても「抜き」の方が好みだわ。
ってなりそう。

石臼挽蕎麦 かおく
今日お店を訪ねた時間は午後2時。
当然ながら「玄」はすでに完売。
で、こちらが「抜き」のもり蕎麦。
塩で食べてもいいし、わさびで食べてもいいし、つゆにつけてもいい。
ちなみにここのわさびのマイルドで角がなく、わさびの旨さが味わえるのでワサビをそのまま直接蕎麦につけて、少しつゆに付けて食べるのが私の好みである。

均等の幅で細く整えられた芸術的な蕎麦を口に運ぶと、口の中でサッとほぐれて、蕎麦、ワサビ、そばつゆの風味がサッと鼻から抜けるのである。

細くとも弾力を感じる歯ごたえと喉通り。

これが一度食べたらまた食べたくなる蕎麦なんだよな。

で、しめはおかゆのようにトロトロの蕎麦湯。
これを少々のそばつゆに足していただくとなんともやさしい味になる。

こういう蕎麦は奈良でも数少ない貴重なお店だ。
もし奈良に観光に行く予定があるのであれば、ぜひ「石臼挽蕎麦 かおく」の蕎麦を食べてみて欲しい。

かつて奈良に暮らした文豪「志賀直哉(しがなおや)」は自身のエッセイに、「奈良にうまいものなし」という言葉を残し、発表から80年近く経った今でも引用され続けている。

またこの言葉は奈良県観光課が発行した雑誌に寄稿したものだというから驚きなんだけど、ちょっとこの言葉の前後を読むと少しニュアンスが違ってくる。

食ひものはうまい物のない所だ。私が移つて来た五六年前は牛肉だけは大変いいのがあると思つたが、近年段々悪くなり、最近、又少しよくなった。此所では菓子が比較的ましなのではないかと思ふ。蕨粉(わらびこ)といふものがあり、実は馬鈴薯の粉に多少の蕨粉を入れたものだと云ふ事だが、送つてやると、大概喜ばれる。豆腐、雁擬(がんもどき)の評判もいい。私の住んでゐる近くに小さな豆腐屋があり、其所(そこ)の年寄の作る豆腐が東京、大阪の豆腐好きの友達に大変評判がいい。私は豆腐を余り好かぬので分からないが、豆腐好きは、よくそれを云ふ。

確かにわかりやすい肉、魚という目立ったもので美味いものはないのかもしれないが、地味に美味いものがあるということにもとれる。

吉野葛や豆腐などは今でも奈良は別格の味である。
また奈良といえば三輪そうめんが有名であるが、近年、蕎麦も結構凄いことになってるなぁと思う今日この頃です。

ではでは。