- まずは島根県までのんびりとバイクツーリング
- 思ったのとちょっと違った出雲大社
- 出雲大社参拝道を散策
- 島根県のパワースポット、稲佐の浜へ
- 島根県訪問のメインである国登録有形文化財の宿、美保関へ。
- 築120年、複雑な構図の国登録有形文化財、美保館本館
- 毎朝祝詞(のりと)と雅楽による巫女の舞いを奉納する美保神社へ
- 「日本の灯台50選」にも選ばれている美保関灯台へ
- 帰りは松江城へ
まずは島根県までのんびりとバイクツーリング
さてさて、今日は久しぶりのバイクツーリング。
自宅から約350㎞先の島根県出雲大社を目指す。
所要時間は約4時間30分。
台風3号の影響でかなり天候が不安定とのことなのだが、まぁなんとかなるでしょってことでバイクで出かけた。
まずは西宮名塩で小休憩。
平日だし、この天気予報ではバイクはほとんど見かけない。
なんとか雨に降られずに勝央サービスエリアまでこれたな。
やはりバイクは全然いないな。
続いて岡山県の蒜山サービスエリア。
路面を見てもらうと分かると思うが蒜山でかなりの雨に降られた。
レインウェアを着ようと思ったのだが、どうせ峠特有の通り雨だろうと・・・
「ええい、ままよ!」
とレインウェアを着ずにそのまま走り切った。
蒜山サービスエリアに到着する頃には雨も上がり、青空さえ見えている。
雨の被害もなんとか耐えたかな。
ここから出雲大社まではあと100㎞。
ようやく島根県の宍道湖まで来た。
宍道湖は汽水湖なのでシジミが取れるんだな。
フナムシもいてるし、鯉も泳いでいるし、ボラも泳いでるしなんとも海とも言えず淡水とも言えない不思議な生態系。
さてさて、出雲大社の駐車場にようやく到着。
時刻は15時。
島根県って遠いなぁ。
っていうか道々のんびりと休憩しすぎだったわ。
思ったのとちょっと違った出雲大社
ようやく到着した出雲大社。
国造りの祖である大国主が祀られている出雲大社ってどんな雰囲気なんだろう。
一度は訪れてみたいと思ってやって来た。
こちらが出雲大社の土産物通り。
平日だからか、それとも時間が遅かったのか人はまばら。
そして振り返ると出雲大社の勢溜の鳥居。
ほほう、これが出雲大社への入口かぁ。
想像した以上に敷地内が広い。
伊勢神宮、明治神宮、橿原神宮と同じようにやはり出雲大社も広大な敷地の中にあるのだな。
石畳の参道を抜けると松の参道が続く。
まさに神御座す場所という感じだ。
ようやく拝殿が見えてきたぞ。
こちらは大国主のモニュメント。
このような古事記の物語を再現したモニュメントでこれほど大きなものは関西圏ではあまり見かけない。
島根県はやはり出雲信仰が濃いのであろう。
これが日本一と言われる出雲大社の大しめ縄なのか。
なんか思っていたのと違う。
そりゃかなりデカいとは思うけど・・・
印象的にはもっとデカいのかと・・・
後で分かったことだが、本当にデカいしめ縄は拝殿のしめ縄ではなく、神楽殿にあるしめ縄なのだとか・・・
あぁ、そんなの知らんかったわ。
知ってたら神楽殿も見に行ってたのに・・・
これから出雲大社に旅行に行くという人は神楽殿が一番大きなしめ縄だから要注意ですよ。
そしてこちらが御本殿。
大国主が祀られている場所。
平成の大遷宮で神饌料を納めた名だたる皇族家の名前が書かれている。
出雲大社を訪れてみると柏手を4回打つ人が多いことに気付く。
調べてみると出雲信仰では柏手を4回打つのがスタンダードなのだとか。
また一般の参拝者の中には祝詞(のりと)をそらで言える人がいることにも気づく。
祝詞(のりと)とは「かしこみかしこみ申す」という八百万の神に奏上する詞(ことば)
近畿地方では京都、奈良、高野山と仏教信仰が根強いので各宗派に合わせたお題目をそらで言える人は多いが祝詞(のりと)をそらで言える人は初めて見た。
やはり出雲信仰が根深い島根なのだろうか。
このような文化の違いには興味をそそられる。
出雲大社参拝道を散策
さて、お腹も減ったので食べ物を求めて出雲大社前のお土産通りを散策。
歩道と車道の境目が曖昧なのが特徴なのかな。
割とゆったりと歩けるような印象。
因幡の白兎の伝承地だけに兎のモニュメントがやたらと多い。
こちらの兎はじゃりン子チエの小鉄やアントニオの雰囲気が漂う人間味のある表情が面白い。
「なんでわしがテツのしりぬぐいをせんといかんのや!」
そんなことを言っている表情だわ。
路地裏にも土産物や食べ歩きの食事を提供するお店もあったりする。
参拝道には重要文化財の宿というのも見受けられた。
こういう宿にはいつまで泊まれるか分からないので泊まれるうちに訪問したいもんだ。
私が今夜泊まる美保関の美保館も重要文化財に指定されている。
今回の島根の旅はこの重要文化財を見れるうちに見ておきたいという旅なのである。
出雲と言えば出雲そば。
参拝道には様々な出雲そばのお店があるのでどこのお店に入るべきか思いあぐねていたところ。
ちょうど観光案内所があったので、飛び込んで出雲そばを食べるならどこのお店がおすすめかと尋ねたところ、この一福さんが有名とのことでやって来た。
時刻は16時。
蕎麦がなくなったら閉店ということらしいが・・・
平日で天候も悪いからか蕎麦はまだ残っているようでお店に入る。
観光案内所で聞いた出雲に来たら割子蕎麦を食べるべしということで割子蕎麦を注文。
こちらが注文した割子蕎麦。
三段のお重のような形になっている。
お店の人に聞くと、薬味とそばつゆをかけて食べるのだそう。
そばつゆは一般のそばつゆと比べてかなり濃いのでかける量は控えめにとのこと。
ほほん、こりゃかけるそばつゆの量を間違えると三段目までには無くなってしまうかもな。
そばつゆがどれだけの量があるのかは容器の中を見ても分からんし。
そばつゆをそそぐ傾き加減で量を測るしかあるまい。
薬味を添えて、そばつゆを少し注ぐ。
食べてみるとこりゃ美味い。
かなり濃いそばつゆの旨味と薬味の鰹節が効いている。
蕎麦には上質のワサビだろうと思っていたが、鰹節もなかなかいいもんだ。
もっちりとした歯ごたえのあるそばもいい。
濃厚なそばつゆで食べるもっちり感のある蕎麦は食べ応えがあってこれはこれで各段に美味いのである。
島根県のパワースポット、稲佐の浜へ
さてさて、続いてやって来たのは出雲大社からバイクで5分程度の場所、稲佐の浜。
稲佐の浜にある弁天島。
稲佐の浜は大国主神が高天原から派遣された武甕槌神(たけみかづちのかみ)と国譲りの交渉をしたという場所。
また出雲では旧暦の10月、全国の神様が集って“神議り(かみはかり)”という会議が行われると伝えられて、全国の神様はこの稲佐の浜から上陸してくるのだそう。
だから10月は神無月と呼ばれているが、ここ出雲では神有月と呼ばれるらしい。
毎年10月にはこの稲佐の浜では多くの神職や氏子らが集まり、海からやってくる八百万の神さまを迎える神事、神迎祭(かみむかえさい)を行うのだそう。
島根県訪問のメインである国登録有形文化財の宿、美保関へ。
さて、出雲大社から約70㎞離れた美保関へ。
移動に1時間30分もかかってしまった。
時刻は18時過ぎ、ようやく旅館美保館へと到着。
こちらが今日宿泊する旅館「美保館新館」。
そしてこちらが美保館新館の隣にある国登録有形文化財の本館。
現在はこちらの本館に宿泊することは出来ないが、朝食はこの本館でいただく。
また朝食後にゆっくりと見学することも出来る。
明日の朝が楽しみだわ。
旅館の目の前は美保漁港。
すごく見晴らしがいいのに天気が悪いのが残念でならない。
こちらが旅館のエントランス、ロビー。
いや~いい雰囲気ですな~。
皇太子時代の天皇陛下も訪れている旅館なのか。
その他有名人の来館時の写真も展示されていた。
さっそくチェックインを済ませて部屋へと向かう。
こちらが本日泊まるお部屋。
ああ~これぞザ・旅館という部屋だぞ。
結局こういう部屋が一番落ち着くんだよな。
窓から眺める漁港の景色も最高じゃないか。
凄く小さな入江の漁港町なので、部屋からは漁港全体が一望できる。
おぉ~これはいい部屋だわ。
夕食無し、朝食付きで1泊12100円。
旅館のすぐ裏には美保神社へと続く青石畳通りという小路があり、ここがまた魅力的で風情ある景色なのだ。
日が完全に落ちると妖艶な灯りが美しい景色になるだろうからその頃にまた撮影してみよう。
とりあえず日が落ちるまでお風呂にでもはいるかな。
美保館のお風呂は最上階の7階にある。
お風呂はこんな感じ。
今晩の宿泊客は私以外に2組の宿泊者しかいないようで完全に貸切風呂状態。
大浴場からの漁港の眺めも最高。
いや~こりゃ落ち着くなぁ~。
さて、お風呂上りにはビールを飲みながらのスーパーで買ったお刺身をいただく。
漁港近くだけあって松江のスーパーで購入した天然真鯛のお刺身が368円とめちゃめちゃ安い。
さてと、外も暗くなったので青石畳通りの撮影を再開。
どうですこの雰囲気。
めちゃくちゃ情緒あるじゃないかぁ。
いやもうこの雰囲気だけで島根まで来た甲斐があったというもの。
これが旅館のすぐ裏の通りですからね。
なんともいい場所だわ。
ついでに旅館の目の前の漁港も撮影してみた。
ほんとにのどかな漁港町だな。
で、こちらは国登録有形文化財の美保館本館。
今日はこちらで地元の方の宴会が開かれているらしい。
最近、ぼちぼちと宴会の予約も入って来てるみたい。
築120年、複雑な構図の国登録有形文化財、美保館本館
朝目が覚めると外はあいにくの雨。
うーん、今回の旅は天候に恵まれないなぁ。
身支度を整えてさっそく朝食会場へ。
朝食は登録有形文化財に指定されている美保館本館でいただく。
細い路地を向けて朝食会場へ。
朝食はこんな感じ。
非常に豪勢な朝食。
こちらはシジミ汁。
落ち着いた静かな部屋でじっくりと朝食を味わう。
なんとも時間の流れが優雅だな。
さて、朝食後は今回の旅で一番楽しみだった国登録有形文化財の美保館本館の見学。
築120年でガラスの天井ってめちゃくちゃ珍しくない?
この2枚の写真だけでもこの宿がどれだけ個性的なのかが伝わると思う。
この階段、いったいどうなってんだ。
斜めにかけられた階段の向こうには中2階の小部屋のようなものがあるし。
そもそもなんでこんな複雑な階段を設計したのだろうか。
2階に上がると中央の吹き抜けの廻りをぐるりと囲うように廊下が設けられている。
なんとも複雑な構図。
中2階らしきお座敷があるんだな。
まるでアニメの世界のような建物だわ。
なんかもうどこを切り取っても絵になる旅館だな。
なるほど風俗営業料亭でもあったのか。
だからなんなに複雑で豪華な作りだったのかな。
毎朝祝詞(のりと)と雅楽による巫女の舞いを奉納する美保神社へ
さて、雨に濡れた石畳がこれまた美しい青石畳通りを抜けて向かうのは旅館から歩いて3分の美保神社へ。
美保神社では毎朝8時30分に祝詞(のりと)と雅楽による巫女の舞いが神様に奉納されるとのこと。
365日毎朝のお勤めをしている神社というのも珍しく、さすがは国生み神話の島根という感じがする。
ほほう、こりゃ思った以上に立派な神社だこと。
山に囲まれた美保神社は朝の新鮮な空気が張りつめている。
小雨のせいか神社の佇まいがより一層に幻想的に見える。
賽銭箱に入れた小銭の音が山にこだまするのではなかろうかと思えるほど静かだ。
柏手の音がパーンと周囲に響く。
これは御座すな。
この美保神社に祀られているのは大国主神に国譲りを進言した事代主神(コトシロヌシ)。
宮司による祝詞が始まった。
静かな神社には祝詞の声と小鳥のさえずりしか聞こえない。
私の体の中の邪念も浄化されている気分になる。
祝詞の後は雅楽に巫女の舞いの奉納。
なんと厳かな時間なんだ。
朝のお勤めは約1時間ほど続いた。
島根県の美保関は昔は海運の要所として栄えた町。
島根半島の東端、三方を海に囲まれた美保関。
聖なる岬と呼ばれ、出雲信仰が厚く、港自体がパワースポットだとも言われている。
全国的な知名度はまだまだだが、未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選に選ばれている場所なのだ。
「日本の灯台50選」にも選ばれている美保関灯台へ
さてと雨も上がったので10時前にチェックアウトを済ませて美保関の漁港をあとにする。
いや~それにしてもいい漁港町だったな美保関。
ここからは美保漁港からバイクで約5分の美保関灯台へと向かう。
あっという間に美保関灯台に到着。
灯台には観光ビュッフェも併設されているのだが今日は臨時休業とのこと。
ほほんあれが美保関灯台か。
いや~天気が良ければな~。
この景色もずいぶんと違ったはずなんだけどな~。
灯台まで来てみたけれどこの天気じゃ全然映えないな。
海の向こうに見えるのは鳥取砂丘と並ぶ鳥取県の自然遺産。
標高1,709mを誇る中国地方最高峰の大山。
NHKで実施された「日本名峰ランキング」で富士山、槍ヶ岳に続きベスト3に選ばれたこともある名峰。
天気が良ければさぞ綺麗に見えたんだろうな。
残念無念。
帰りは松江城へ
さて、帰りは松江城へ。
美保関から松江に来る時に激しい雨に打たれてテンションダダ下がり。
激しい雨に打たれて靴の中までぐちょぐちょになったので集中力が切れちゃってしっかりと松江城を堪能出来なかったんだな。
ってことで今回の旅はこれまで。
とりあえず島根県美保関はむちゃむちゃ良かったよ。
ではでは。