今日は天狗のお話。
全国の天狗を招集する天狗経
天狗経なるお経がある。
山で修行をする修験者が全国の霊山にいる天狗を招集するためのお経が天狗経なのだとか。
何か怪異なことが起こると「天狗のしわざ」だ。
なんて言われ、悪戯をする妖怪というイメージもある天狗なんだが
元来は密教や山岳信仰と深く結びつく山の神である。
優れた仏僧や修験者は亡くなった後、大天狗に化身して神になるのだそう。
ここで天狗道とかいうとちょっとややこしい。
仏教では人が亡くなると生前の行いによって六道(天道・人間道・修羅道・畜生道・
餓鬼道・地獄道)のどこかに行くというが・・・
天狗道は六道ではなく、魔縁といわれ、生前に修行をなまけたものや仏の道を志したものの、邪念に心を奪われたものが落ちる世界。
ん、ならばなんで優れた仏僧や修験者が天狗道に落ちて大天狗となるんだ?
この辺がよく分からん。
でも、天狗にも悪い天狗と良い天狗がいて、修行の邪魔をする天狗もいれば修行を助ける天狗もいるとのことで、守護神として崇められているのは良い天狗なのだろうね。
でもやっぱり納得いかない。
なぜ、優れた人が天狗道に落ちて天狗に・・・
で、なんで魔縁なのに神なのか。
ちなみに天狗って日本に12万5500天狗いた。
江戸時代に書かれた天狗経によると、日本全国に12万5500天狗いたと書かれている。
12万5500人?それとも匹?もくしくは狗?
天狗の数え方なんて学校で教わっていないのでなんて数えればいいのやら。
まぁそんな話より、けっこういるなぁ~というのが感想。
天狗経では有力者の四十八天狗の名前が列挙されている。
12万5500狗のうち、有力者が48狗いるらしく。
まぁなんてAKBなのって感じなんですが・・・
名前を列挙するとすごい数の名のでここでは書かないけど。
その天狗の名を呼ぶことで全国の天狗を招集するってわけですかね。
全国12万5500狗がここに集いて祈願したてまつる。
これより全国の霊山の神たる大天狗の名を呼び、全天狗を力を崇めたてまつる。
みたいな感じ。
さらにその中で最も力のある者は八大天狗といわれている
日本全国の天狗の中で超一流の神通力を持っている天狗が八大天狗といわれる。
なんだか少年漫画的な要素は日本古来から存在しているんだな。
その八大天狗とは・・・
愛宕山太郎坊(あたごさんたろうぼう)
【京都府代表】愛宕山
日本全国に天狗を束ねる天狗の総長。
愛宕神社の守護神で火の神として火事を起こすこともある。
カラス天狗として描かれていることが多い。
比良山次郎坊(ひらさんじろうぼう)
【滋賀県代表】比良山
そもそもは比叡山にいた天狗なのだが、伝教大師最澄が延暦寺を開き、多くの僧が山へとやってきたので多くの天狗を引き連れて比良山へと引っ越しを余儀なくされた。
そこで比良山にもともと住んでいた龍と戦ったという天狗伝説が残っている。
八天狗の中では他の天狗ほどの力はなかったようで、貫禄が今一つ。
飯綱三郎(いづなさぶろう)
【長野県代表】飯綱山
この天狗もカラス天狗。
日本が飢餓で苦しい時、飯綱山にある食べられる砂「天狗の麦飯」を庶民に配り、庶民を飢餓から救ったという伝説がある。
白狐に乗っているので、荼枳尼天(だきにてん)と同一の神として崇めらている。
また、戦勝の神として多くの戦国武将に愛された大天狗。
鞍馬山僧正坊(くらまやまそうじょうぼう)
【京都代表】鞍馬山
源義経の幼少期である牛若丸に剣術を指南したとして知られる天狗。
生前は真言宗の高層である壱演が亡くなって大天狗になったのだとか。
相模大山伯耆坊(さがみおおやまほうきぼう)
【神奈川県代表】相模大山
こちらもカラス天狗。
白い着物と袴、白い結袈裟姿。
伯耆大山から相模へと移り住んだとのこと。
彦山豊前坊(ひこさんぶぜんぼう)
【福岡県/大分県代表】英彦山
九州の天狗を統べる天狗。
その正体は天照大神の子である天忍穂耳尊(あまのおしほみみのみこと)とも。
京都の鞍馬山僧正坊に呼ばれ鞍馬山へとおもむき、源義経に武術を伝授したとの伝説も残る。
大峰山前鬼坊(おおみねざんぜんきぼう)
【奈良県代表】大峰山
役行者小角に仕えた前鬼が修行の後、天狗になったといわれている。
天狗になった後も大峰山で修行をする修験者の面倒をみていたそうな。
白峰相模坊(しらみねさがみぼう)
【神奈川県】五色台白峰
古参の天狗で崇徳上皇が亡くなった後、上皇のお墓に夜な夜な通ってはその霊を鎮めるために慰め続けたとのだとか。
天狗の話はこれで終わり。
で、今日撮影した写真はと・・・
台風14号が過ぎた後。
山の神社まで行ったのだが、人気のない山に入ると・・・
なんだか天狗にでも遭遇しそうな・・・
そんな気分になったのでちょっと天狗の話でも。
でも、山から眺める景色は・・・天狗なんて・・・
という都心の景観だったりする。
ちょっと寂しい気分にもなったりする今日この頃です。
ではでは。
そういえば昔に忍者のことについて長々と書いたよなぁ。