さてさて、今日は結婚記念日という事で夫婦二人で大阪河内長野市にある天見温泉「南天苑」へ。
旅好きの方なら大阪で予約の取れない人気宿として知る人も多いですが、そうでない人だと、河内長野にこんなシブい宿があるとは・・・しらなんだ
そういう人もまだまだ多いのだと思う。
テレビや雑誌に何度も取り上げられ、コロナ前は海外からの宿泊客で賑わうお宿。
大正2年に建てられた娯楽保養施設の一部をこの地に移築したもので、近年の調査で美明治から大正にかけて活躍した建築界の大御所、辰野金吾博士の設計だと分かり、国の登録文化財に指定されている、なんともシブい宿なのである。
【南天苑本館】
京の都と仏教の聖地高野山を結ぶ高野街道は、平安時代の皇族、公家や、中世から盛んになる武士、庶民の高野山参詣に利用されました。
高野街道沿いにある、ここ南天苑本館は、元々、大正2(1913)年に阪堺軌道(後に南海鉄道と合併)が堺市の大浜公園に建設した娯楽保養施設「潮湯」の建物のひとつでした。当時、「家族湯」と呼ばれ、主に個室風呂や個室の休憩室が配されていました。
この建物が昭和9(1934)年に室戸台風で損壊し、翌年、現在の場所に移築され、大阪市阿倍野の料亭「松虫花壇」の別館として営業を始めました。
平成14年9月に「明治建築研究会」により建物調査が行われ、明治から大正にかけて活躍した建築界の大御所、辰野金吾博士の辰野片岡建築事務所の設計によるものであることがわかりました。
現在の建物は、和風をベースとしながら諸所に洋風モダンな意匠を取り入れた、大正・昭和初期の建築様式を偲ばせる貴重な建物です。
それにより平成15(2003)年に国の登録文化財になりました。
とのこと。
こんなに貴重なお宿なのに地元大阪では知らない人が多いんだよね。
エントランスからして古き良き昭和の旅館の佇まい。
パタパタとスリッパで廊下を歩く心地よさ。
こちらはロビー件喫茶かな。
こちらには囲炉裏があるスペースもあった。
案内いただいたのは「初夢」というお部屋。
この感じ落ち着くよな~。
許されるならこの部屋でゆっくり読書なんてしてみたいわ。
こういう小物の雰囲気も特別感があるよね。
部屋から見えるお庭の景色はこんな感じ。
今日は朝からシトシトと小雨が降り続いてますが、それはそれで何とも言えない静寂感がありますなぁ。
南天苑の日帰り温泉プランは11時30分からチェックインが始まり、14時までお部屋でゆったりとお食事、14時以降はお部屋は使えないが、温泉の利用は可能というもの。
この日は11時40分にチェックインして、12時から食事、14時前には部屋を空けて温泉に入る予定。
夫婦二人とも少食なので、お食事は一番量が少なそうな花コース。
大人1人6600円。
このテーブルの柄も昭和な雰囲気がありいい感じ。
まずは食前酒に先付、向付のお刺身。
季節感、美しさ、味わい。
なんとも至福の時間のはじまり。
こちらはニシンとなすを炊いたもの。
味はもちろんのこと、この器の柄と料理の盛り付け感の程良さというかバランスというか・・・
奥深いわぁ。
こちらは子持ちアユの塩焼き。
専用に出汁につけていただくという。
アユの塩焼きを出汁につけて食べるのは初めてだわ。
こりゃ面白い。
こちらはハモの天ぷら。
その奥にはイチジクを揚げたものも。
イチジクの揚げ物は醤油ダレでいただく。
こりゃ珍しい。
で、珍しいのでイチジクの揚げ物を手前にして写真を撮ろうとすると、仲居さんが、ご主人、料理の表はこちらでございます。って教えてくれた。
やっぱり奥深いもんだわ。
すみません。板長のこだわりを察することが出来なくて。
今後は意識して写真を撮ります。
さてさて、ごはんと板長お手製の香の物をいただき、最後はデザート。
白玉とアイスを最中で挟んだもの。
もうこれだけでお腹いっぱいですよ。
これぐらいの量が私たち少食夫婦にとってはありがたい。
宿の料理っていつも食べきれんほど出てくるからね。
さぁお腹もいっぱいになったし・・・
お次は風呂だな。
2時以降になると入浴する人も増えるだろうと思い、チェックアウトの2時前にお風呂に行くと・・・
読みは的中だわ。
誰もいない貸し切り状態。
お湯は無色無臭の天然ラジウム泉。
湯の温度は40度ぐらいだろうか。
熱からず、温からず、いい塩梅。
案の定、2時をまわると人が入ってきたわ。
いやいや料理もお風呂も大満足。
季節ごとに来たいけれど、コロナ後はまた予約がとりにくくなるんだろうなぁ。
とにかく行ってみたいお宿にようやく来ることが出来たので夫婦で充実した一日だったとさ。
ではでは。