昨日、本屋さんの平台に積み上げられていて気になった「近畿地方のある場所について」背筋 (著)。
ほほん、これはたぶん、いわくつきの土地にまつわる話だな。
表紙にはダム湖が写っているので、ダム湖の底に沈められた集落の話か?
もしくは自殺や事件に関するものなのか?
どんな内容なのか気になったので購入して、読みんでみると・・・
面白過ぎて5時間没頭して読了してしまった。
話は、奈良県にある〇〇〇〇ダム周辺の話。と本編でもその名が伏せられているので、その場所を特定するぞ!という面白さがある。
オカルト雑誌の編集担当の小沢君。
新刊を発行するにあたり、新たな取材をするほどの予算がなく、過去記事を調べて特集を組もうと考えた。
出版社の資料室にある膨大なバックナンバー、取材資料など過去20年以上もさかのぼって目を通していると、ポツリポツリと共通点がある記事を発見。
その記事やインタビューの書き起こし、読者からの手紙など形式の違う文体のエピソードの紹介がこの本である。
1984年2月、奈良県在住の8歳の少女Aちゃんが学校帰りに行方不明になった事件やら2006年林間学校集団ヒステリー事件などのエピソードを紹介。
この〇〇〇〇ダムは自殺の名所なのだとか・・・
「奈良県で自殺の名所というと天理ダムか?」
どうやら林間学校で泊まる施設もあるのだとか・・・・
「そうなれば曽爾村か?」
そして、国道沿いにそのダムはあり、近くには心霊スポットで有名なトンネルがあるのだそうだ。
「ほほう、そりゃきっと天理トンネルのことだな」
ボロボロの鳥居に山へと続く階段?
「おおう、それは白高大神のことじゃないか。」
そしてそのダムの近所には昭和時代にニュータウンとして開発された団地があるそうで、その団地も自殺の名所なのでとか・・・
「はて?ダムの近くに団地?そうなればもう私にはどのダムなのか全然分からない。」
そんな感じで推理をしながら読んでいく。
様々なエピソードを読んでいると「山へ誘うもの」「赤い女」「呪いのシール」などなど、年代は違うものの共通点が見つかる。
バラバラだったエピソードだが、終盤にはバラバラだったエピソードがその真髄へと迫ってくる。
様々に起こる怪異な現象はそういうことだったのか!
ってなるわけなんだが、話はそこで終わらない。
最後に何じゃそりゃ!っていうオチがあるんだけど。
そのオチで一気に興ざめしてしまうんだ。
だが、最後のオチまでは興奮して読むことが出来たし、これは新しいホラーのカタチだなぁと。
無茶苦茶良くできてる話じゃないか。
紹介するエピソードの順番も綿密に考えられているし、そのとりとめのなさも興味が湧く。
まるで自分がその真相を探っている張本人であるかのごとく。
本当に集中して読めた本なのでありましたとさ。
ってことで今日はこれまで。
ではでは。