被写体としてローカル線が走る景色を撮影してみたい。
なんとなく本屋で手にした全国鉄道旅行の地図を広げてそう思ったのだ。
正月休みに旅番組ばかり見ていたからなのかもしれない。
そして旅をする理由が欲しかっただけなのかもしれない。
地図と一緒に人生で初めて購入したJTB小さな時刻表。
初めは見方が良く分からなかったが、自宅で何度も眺めていると記号の意味や調べ方が分かるようになった。
ってことで、今回はローカル線を撮影しに三重県のローカル線、名松線へ行くことにした。
名松線の終着駅「伊勢奥津駅」を目指し伊勢本街道を車でひた走る。
奈良県宇陀市を抜けて曽爾村から三重県「伊勢奥津駅」を目指す。
今日から今年最大級の寒波が日本列島を襲うとのことで奈良の山の景色はほとんど雪景色に。
峠の道も雪がシャーベット状になっている。
さて、伊勢奥津駅に到着。
時刻は12時50分。
JTB小さな時刻表によると電車は12時57分に到着するようだ。
ちなみに駅の時刻表を見ると約2時間に1本という運行状況。
チャンスを逃すと2時間待たなくてはならない。
ローカル線の撮影ってかなり大変そうだ。
ってことで気が電車に行っていて駅周辺の俯瞰の撮影やらをするのを忘れておりました。
駅の横に観光案内所があり、駐車スペースも10台以上あるので車をここに停めて名松線に乗ってみるということも可能な感じ。
ちなみにこの日は停めている車は全くなし。
駅には私と伊勢奥津駅の駅スタンプを押しているおじさんの二人のみ。
さて、こちらが12時57分着、13時06分発のキハ11系車両。
タイミングよくいい感じで雪がしんしんと降ってきた。
これぞローカル線って感じ。
13時06分の出発を見届けた後、車に乗って名松線に沿って通っている県道15号線を走り、良さそうな撮影スポットを先回りして探そうと思ったのですが・・・
が、走ること3kmほどで通行止めだった。
なにやら土砂崩れのため通行止めなのだとか。
トホホ・・・
結局「伊勢奥津駅」と次の駅「比津駅」の間しか車で行けないという状況。
ならばこの間で撮影スポットを探そう。
気を取り直して次の電車が来るまで腹ごしらえでも。
さて、やってきたのは車で10分ほどの場所にある「道の駅 美杉」。
全く車が停まってないじゃないか!
こりゃ昼食も危ういかも・・・
そんな予感がしたのですが。
ちゃんとご飯ものもやってましたよ。
頂いたのはカレーライス。(まぁ見りゃ分かるだろうけど)
で、カレーライスが出来上がるまで様々な観光案内パンフレットなどを見てたのだけど、なんとこの近くに雪姫亭という観光食事処があるらしく、そちらに行っとけば良かったかなぁなんて。
この美杉地区は「ウォーターボーイズ」などのヒット作を手掛ける矢口史靖監督がメガホンを取った2014年公開の映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~」のロケ地なのだとか。
ほほーん。なんだかその映画見たくなってきたなぁ。
そう思えるほど、山々の景観が美しい地区なのである。
さて、カレーライスを食べてお腹も満足。
いろいろ散策している中でなかなか撮影スポットしていい感じの場所を見つけた。
ここでキハ11系が通るのを待とうかと。
線路沿いに農道が通ているので近くに車を停めて歩いて散策。
線路に立ち入る人が多いのだろう。
「線路に立ち入らないで下さい」との注意書きが。
もちろん立ち入りませんよ。
写真では晴天ですが・・・
数分前まではこんな感じで暗く吹雪いていたのですけどね。
散歩をする老夫婦と「こんにちは」とあいさつを交わし、「写真ですか?」などと尋ねられ、「電車が通るのを待ってます。それにしても今日は寒いですな。」などとたわいもない会話を交わすのもいいものです。
散歩から戻ってこられたご夫婦が「電車はまだですか?」と。
「後2分ぐらいですかね。」と私。
「じゃもう少しの辛抱ですね。」とご夫婦。
撮影にいろいろな里山を訪れる機会が多いのですが、このような会話一つでその地のイメージって変わるものだったりしますよね。
で、撮影出来たのがこちら。
ローカル線が走る風景というよりはほぼ電車って感じ。
終着駅「伊勢奥津駅」からの折り返し運転の時間まで再び良さそうな撮影スポットを探す。
見つけた撮影スポットはこの鉄橋。
だが道路からでは距離が近すぎて景観感が出ない。
で、狙ったのはこのきれいな沢の対岸から鉄橋を撮影しようかと・・・
山道を歩いて対岸へ。
そして撮影した写真がこれ。
とりあえずはローカル線が走る景観となったのかなぁと。
本当はしんしんと降る雪の中をたくましく走るローカル電車を撮るべく、この大寒波に訪れたのだけれど、なんとも吹雪いたり、青空になったりと激しい気象と電車のタイミングが合わずで、こりゃ忍耐と辛抱が必要な被写体だわ。
とはいえ、電車を待っている間に大自然のフィールド探索なんて事も出来るのでこれはこれでなかなか面白い。
ってことでそんな一日でありましたとさ。
ではでは。