
さてさて、今日はブログを見ていただいている方より、素敵な本を献本頂いたのでご紹介。
都会で暮らしていると自然の四季の移ろいなど気にしなくなる。
春に咲く花々、夏は渡り鳥達の声。
秋には芋やカボチャ、柿や栗が実り。
冬は忘れ花に春をしのぶ。
とかく大阪の都会は東京に比べても緑が少ないという。
スーパーでは季節関係なく、食材がそろう。
人の感受性に敏感・鈍感があるならば、今の都会人は四季の移ろいに鈍感にならざるえ終えない。
前置きが長くなったが。
そんな大阪の都会のど真ん中に四季が清水のように流れる庭園があった。
場所は北区堂島浜。
言わずと知れた大阪商売の中心地。
その名はクラブ関西。
関西財界人の交流の場として会員制の社交場であったクラブ関西。
この本はその庭園を14年間、維持管理を担ってきた庭師の記録である。
身の回りの自然に四季の移ろいを感じ、楽しみ、学ぶ。
これこそ心が豊かであるといえる。
庭師は多くは語らない。
14年間、丁寧に手を入れた庭の情景写真に、日本を代表する名だたる文豪たちの言葉を添えて、心の豊かさを伝えてくる。
庭園は都会の一等地とは思えなほど自然が濃く。
陰と陽が混在し、眺める人の心の持ちようで、いかようにでも受け取れそうな。
それゆえに文豪たちの言葉が五感に響く。
庭は過ぎ去る季節の面影を残し、来る季節がまた新たな命を生む。
花は美しく咲きもするが、はかなく散りもする。
諸行無常。
この美しい庭園もそうであった。
長年手入れを続けていた人にしか分からない事や気づく価値がある。
クラブ関西は移転のため、この庭はなくなったが。
はたしてこの庭を存続させる価値がなかったのか。
いや、決してそうではなく、私たちの感性がなくなってしまったのだ。
経済合理性や利便性の影に私たちの感性が追いやられてしまったのだ。
これほどの本を出版するのはさぞ大変だっただろう。
それだけ、この庭の姿を後世に残したいという想い。
その熱量を通じてあらためて、本当の価値とは何であるか。
そう感じた本でした。
あらためまして、kana1014lmさん。
献本ありがとうございました。
