暮らしの顛末(くまくまコアラ)

40代サラリーマン、Canon EOS7D markⅡを愛用して観光地巡りやら旅行、アウトドアで風景写真やらを撮っているミニマリストのブログ。

奥大和の秘境、十津川村谷瀬の吊り橋を尋ねて思う事。

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久しぶりに訪れてみた奈良県十津川村谷瀬集落。

奥大和の秘境と言われ、山間を流れる十津川の谷間に集落が点在する。

明治時代、対岸の集落との距離は今よりも短く、川に木の橋を架けて生活していたらしい。

明治22年の水害で川沿いの集落は流され、今のような川幅になったのだという。
その後、丸木橋を架けては幾度となく、水害により流され、谷瀬集落の名所である日本一長い吊り橋の架設計画たてられたのだという。

 

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十津川村を通る国道168号線。
奥熊野に通じる道であり、緑豊かなツーリングコースとして多くのライダーがこの道を楽しむ。

熊野が世界遺産なった後、見違えるほど交通の便利は良くなったわけだが。

歴史上、秘境ならでは地として独特の文化が根付いている。

168号線沿いの大塔は維新胎動の地として記念碑が建てられている。

中央権力の目が届かない秘境として、中央権力の討幕を企むもの、攘夷運動を企むもの、時代の変革を企てる者の地として維新を求める者が集ってきた地である。

 

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そんな秘境の地である十津川村もまた、中央権力に頼らない暮らしの営みが根付いていた。

この長さ297mもある日本一長い吊り橋は公共の予算で架設されたものではなく、住民の寄付金で架設された橋である。

昭和29年、村民一軒に対して約20万円という出費によって実現した吊り橋なのである。

昭和29年の大卒銀行員の初任給が5900円だそうだ。
今の物価で計算すると一軒当たり660万円の出費となる。

当時の価格で800万円を集めて架設されたというこの橋。

今の物価で計算すると約2億6000万円という事になる。

集落の約40軒ほどがお金を出し合って実現した橋なのだ。

 

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今での重要な生活道路として活用されている吊り橋。
郵便配達員のバイクやら、学生の通学自転車などがこの橋を渡る。

 

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昔の人が私財を使って架設した大切な橋を今も守り続ける谷瀬集落の人たち。

この集落に根差す自主自立の文化に誇りと尊厳を感じるのである。

自らの問題は自らで解決するよう集落が力を合わせて自活をするというたくましさを感じるのだ。

それが豊かな生活なのかというと決してそうではないのだろう。

とはいえ生活を営むとは豊かであるとか豊かでないとかそんな言葉ではないのかも知れない。

ただただこの地の根ざして暮らす。

清らかな水。清らかな空気。

自然と向き合う。

この地に根ざす。

 

そんな印象を肌で感じる場所だからこそ、今でも秘境としての魅力があるのだろう。

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幾度となく訪れている地であり、また訪れたいと思う場所なのです。