和歌山県勝浦温泉「はまゆ」
銭湯というタイトルをつけながらいきなり天然温泉の紹介とは何事かって感じですが。
天然温泉でありながら470円という銭湯料金で大衆浴場と名乗っているので紹介。
和歌山県勝浦漁港の漁港沿いにある銭湯で、その外観も特徴的。
男湯と女湯への入り口が玄関からというのが昭和レトロな印象。
源泉かけ流し銭湯で、地元の人の憩いの場となっている。
お湯の温度は46℃と高く、体の芯から温まる銭湯。
脱衣所の木製のロッカーも昭和そのもの。
熱すぎて私はものの5分程度で湯船から出たりしましたけど。
なんだかまるで映画のセットのような外観の銭湯です。
【住所】〒649-5334 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町勝浦 970
【電話】090-8847-7582
【営業時間】15:00~21:00
【定休日】:日曜、火曜
【料金】大人:490円 子ども:170円(小学生)幼児:100円(小学生以下)
奈良県生駒市「パレス温泉」(閉業)
もはやこのような昭和な町並みはめったに見られないかもしれない。
今となってはまるでジオラマか?と思えるような情景。
そんな下町風情を感じるのがパレス温泉である。(残念ながら今は閉業)
近鉄生駒駅から近く、生駒山登山を楽しんできた人が帰りにこのパレス温泉で汗を流すという登山客も多かった。
生駒市にあった最後の1軒の銭湯であったらしいが、風呂釜が故障し修理不能で全交換となったため、2023年4月30日に閉業したそうだ。
このような街の銭湯はさらなる設備投資が困難なため、閉業をせざる負えない状況だと聞く。
昭和レトロ銭湯好きは銭湯があるうちに行かないと、行こうと思ったときにはもうないということはよくあること。
奈良県御所市「御所宝湯」
先ほどのパレス温泉と同様に2008年に一度閉業した御所宝湯。
その後、御所の町おこしの一環として、クラウドファンディングで資金を集め復活したのがこの「御所宝湯」
下駄箱、脱衣所は昭和レトロな雰囲気を残しつつも、清潔感のある内装にリニューアルされている。
街中の銭湯だが比較的若い人の利用者も多い印象。
湯船と洗い場もきれいさっぱりリニューアルされつつも、子供の頃に父親に連れられ訪れたどこか懐かしい銭湯そのものである。
浴場の壁に描かれている絵は御所市から眺める葛城山と二上山。
古き良き銭湯の思い出がこみ上げる浴場だこと。
【住所】〒639-2216 奈良県御所市御国通り二丁目361−5
【電話】0745-49-0823
【営業時間】平日:14:00~22:00 土日:11:00~22:00
【定休日】:第2・第4水曜日
【料金】大人:440円 子ども:160円(小学生)幼児:80円(小学生以下)
奈良県大和高田「中央温泉」
奈良県大和高田市にある中央温泉。
昭和レトロを通り越してかなり趣のある木造旅館のような佇まい。
大和高田は江戸時代に市場町として賑わった町なのでそもそもは宿屋でも営んでいたのかもしれない。
かなり渋い外観である。
下駄箱、脱衣所ともに歴史の重みを感じる経年変化が味でもある。
かつてのこの町での人の営みを感じずにはいられない。
この渋さはこれまで訪れた銭湯の中でも群を抜くものであった。
湯船、洗い場もこの銭湯の歴史を刻んでいる。
タイルの模様があちこち違うのがその時代、その時代のタイルの模様なのだろうか。
湯船につかると、どこか異世界にタイムスリップしたような気持にもなる。
いや、この銭湯を訪れた時から、すでに異世界に転生したような心持だ。
銭湯から1歩でると、何変わらぬ現代の町並み、喧噪の中の時間が過ぎゆく。
だが、銭湯に1歩入るとまるでここだけ時間が止まったかのような静寂の中に湯の音だけ。
そんな渋い銭湯であった。
【住所】奈良県大和高田市本郷町7-7
【電話】0745-52-4881
【営業時間】13:00〜17:30
【定休日】:五十日(ごとうび)
【料金】大人:480円 子ども:200円(小学生)
奈良県奈良市「花園新温泉」
こちらは奈良県奈良市の花園新温泉。
奈良まちのはずれにある銭湯である。
これぞ典型的な昭和の銭湯という外観。
下駄箱で靴を脱いで、男湯が右、女湯が左。
二手に分かれて、中央に番台があるというのが昭和スタイルである。
湯船は年期を感じるものの、清潔感がある。
薬湯などもあって地元の人に愛されている銭湯で、2024年には古くなったボイラーを買い替える費用としてクラウドファンディングを行ったりしている。
【住所】住所奈良県奈良市花園町13
【電話】0742-24-0319
【営業時間】13:00~23:30
【定休日】:毎週火曜日
【料金】大人:480円 子ども:200円(小学生) 幼児:100円(幼稚園以下)
京都市「船岡温泉」
京都市にある登録有形文化財にも指定されている銭湯。
西陣の中心にあり、客層が西陣織の若旦那衆などであったため贅を尽くした作りなのだろう。
ここは銭湯好き界隈では有名なので、頻繁にお客さんが来るんだな。
海外の観光客も多い。
湯船が大きくゆったりとできる銭湯。
【住所】京都府京都市北区紫野南船岡町82
【電話】075-441-3735
【営業時間】15:00〜25:00、日曜は8:00から
【定休日】:無休
【料金】大人:490円 子ども:150円(小学生) 幼児:60円(幼稚園以下)
まとめ
近畿地方に残る昭和レトロ銭湯はまだまだこんな数じゃないけど、チェックだけして行けていない銭湯も多い。
で、行こうと心を決めた時にはもう閉業というのが昨今のレトロ温泉事情。
はたまたは、閉業を知り、後継ぎとして名乗りを上げる若者が銭湯を復活するという話もよく聞く。
ということは少なくとも若者の中にも昭和レトロな銭湯に魅力を感じている人もいるということ。
死にゆくおっさんの懐古主義で昭和レトロ銭湯を残せというのは勝手な話だ。
町は再生されて残された次の時代の人へと引き継がれていく。
昭和の名残は消え、次の世代が懐かしむ町並みへと移り変わっていくのだろう。
だからこそ、今、まだそこにあるうちに昭和レトロな町並みを見ておきたい。
そんなことを思う今日この頃です。
ではでは。
ちなみに2023年の全国の銭湯の数は2,847軒。
ピーク時の1968年の1万7,999軒だったそうだ。