
さてさて、本日やって来たのは奈良県橿原市にある「歴史に憩う橿原市博物館」という名の博物館。
市町村に良くあるいわゆる民俗資料館的な市立の博物館なので観光客で賑わうような場所ではない。
だが、その展示物がかなり凄いのだ。

奈良県橿原市にある新沢千塚古墳群は約600基もの古墳があり、その数は日本最大級。
4世紀~6世紀頃に作られた古墳群でそのほとんどが調査の結果、盗掘されたものばかりでお宝発見とはいかなかった。
新沢千塚古墳群の大規模発掘調査が行われたのが1963年(昭和38年)。
約130基ほど調査したものの盗掘後の古墳ばかり。
126号墳も盗掘されているものと思っていたのだが・・・

なんと発見されたのは盗掘跡のない木棺。

木棺の中を開けると装飾品が沢山出てきたそうだ。


骨が残っていなかったので科学的な検証は出来なかったが、被葬者は渡来系女性と推定され、古墳時代中期の国際交流を示す重要な資料が発見された。
126号墳からの出土品は国の重要文化財になっており、東京国立博物館に収蔵されている。

まずはペルシャ製のガラス皿。
東アジアからシルクロードを通り、交流があったことを証明する貴重な資料。

こちらもペルシャ製と考えられるガラス切子碗。

こちらは朝鮮半島由来の頭部の飾りや耳飾り。

こちらは腕輪。

こちらは指輪。

この指輪のデザインが素敵。
なんか土偶にも通ずるデザイン。

こちらはベルト。
今のベルトと変わらない構造に驚く。

埋葬品の中にはこんなものまで。
これアイロンなんだって。
5世紀頃の古墳にはアイロンが埋葬されることがあるらしいが、126号墳では、埋葬し忘れて、あっこれも埋葬してって木棺を閉じるギリギリで入れらた形跡があるらしい。

こちらは埋葬まれた鉄刀を復元したもの。
女性が持つには重いのではないかという人もいるが、ボランティアガイドの人は女性の死を愁う男性が自身の刀を埋葬したのではないかと考察をしていた。

こちらは女性の体に掛けられていたシルクの装飾品。
なんどもいうが、もちろんこれらの出土品は国の重要文化財で、現物は東京国立博物館に収蔵されている。
これらは古墳時代のヤマト王権の貴重な資料。

いやいやこんな貴重な資料が、こんな小さな古墳から出土したとは。
126号墳、ぜんぜん知らなったなぁ。




ってことで誰もいない博物館を満喫。






帰りは藤原京跡のコスモスを撮影。
もう終わりごろだな。



馬見丘陵公園のコキアはどうかと来て見たが。
こちらも旬は過ぎていた。
ってことで今日はこれまで。
ではでは。

