さてさて、今日は国道169号線をひた走り、奈良県の秘境にある廃村、東ノ川集落跡まで行って見ますかな。
度重なる週末の台風からようやく秋晴れの好天気。
日差しがきつく、バイクを止めている時は暑いぐらいですが、バイクで走っているとソフトシェルジャケットを着ていたも肌寒いほど風がひんやりとしてる。
特にトンネルの中は天然のクーラーだわ。
先週までは連日の台風でダムの放流が盛んに行われ、川の水もまっ茶色だったけど、今日はいつのようにエメラルドグリーンの綺麗な色に変わっている。
大阪から走ること約3時間。
ようやく奈良県の奥地、池畑ダムまで。
ダムには満々と雨水が貯水されている。
風もなく空の色のリフレクションが綺麗だわ。
で、このたんまりと溜まったダム湖の真下にはキャンプ場やスポーツ場、温泉施設などがあるんだな。
いつ来てもこのダムが決壊したら・・・
と思うととんでもないんだけど・・・
さて、池畑ダムから国道425号線へ。
国道425号線は坂本ダムの淵を延々と続く、三重県尾鷲市から和歌山県御坊市に至る一般国道で道路改良がほとんど行われていないいわゆる酷道なんだな。
で、池畑ダムから国道425号線に向かおうとすると、「まさか通行止め!」
で、よく見たら本日通行可能とのこと。
で、こちらが池畑ダムの放水場所。
背の高い水門の構造物。
いや~すごい眺めだな。
ここから大量の水が放流されるとさぞ迫力があるんだろうな。
いや~ほんと高低差が凄いわ。
池畑ダムはバスフィッシングのメッカなもんでバス釣りを楽しむボートが沢山。
ポイントを目指して世話しなくボートが移動している。
いや~酷道だけに道は荒れているけど、ダムの景色は素晴らしいわ。
それにしてもこんな傷んだ道をわざわざ選んでツーリングをするバイク好きはいるのだろうか思っていたらこの日3台のバイクと遭遇した。
私と同じく酷道好きのバイカーもいるもんですな。
で、こちらが池畑ダムと続いている坂本ダム。
なんか同じような景色ばかりなんだけど。
奈良、和歌山、三重の県境のダムにはトンデモないほどの水が貯水されていることは理解した。
ダムの周回を走ること約30分。
ようやく東ノ川集落の案内が。
さて、ここからは国道425号線からそれて、県道228号線へ。
この道の先は廃村の東ノ川集落しかなく、集落がドン付きの道になるので基本的には通行止め。
かなり荒れた道が想像されるので、残り1㎞をここから歩くことにする。
やはり道はかなり荒れており、一部ぬかるんでいる場所もある。
こちらは廃村の東ノ川集落の生活道路であったであろうつり橋。
今はメンテナンスもしていないので通好禁止。
まじまじと見るとワイヤーが破損している箇所もあり、かなり危険な橋となっている。
眺めはすこぶるいいんだけど、誰も通らない廃村へと続く荒れた道を歩くと、イノシシが出ないだろうかとか、まさかクマとかないよなとか。
いろいろと考えてしまう。
おや、こんな廃村へと続く道が「ならクル上北山ルート」で快適サイクリングルートだと・・・
いやいや、通行止めだったし、道は荒れているし、私に至っては野生動物が出やしないかと冷や冷やだったんですけど。
しかも、ちょっと寄ってみてよスポットとして東ノ川集落とか書いてあるし。
で、その矢印の方向に目をやってみると・・・
ガーン!
廃校となった旧東ノ川小中学校であった。
なんか見事にすべてのガラス窓が割られているなぁ。
これほど立派な小中学校がこんな秘境の山の中にあったとは、さぞ集落の人口が多かったんだろうな。
この校舎の歴史を紐解くとちょっと複雑な気持ちになっちゃうんだな。
昭和39年に坂本ダム建設に伴い、その補償としてこんな山奥に鉄筋コンクリートの校舎が建てられのだが、坂本ダムが完成したとともに集落はダムに水没し、林業の衰退とともに人口が減少。
学校が出来てから5年後の昭和44年には休校となった。
もはや休校になることを予測しながら建てたとしか思えないんだが・・・
しかし、その5年間、この校舎で学んだ子供たちは大変楽しく過ごしたのだろうな。
なんだか複雑な思いになる。
大阪から来るとかなりの距離の場所なのだが、三重県尾鷲市からは約26㎞と来やすい場所なので肝試しに来る人が多いのだろう。
校舎内には落書きが沢山見られた。
さて、県道228号線のどん付き。
東ノ川集落の家が見えてきた。
こちらが東ノ川集落跡。
手前の赤い壁の建物は2005年まで営業していた郵便局なんだな。
村はとうに廃村になっていたんだけど、郵趣家、郵便局巡り愛好者のほかに、酷道愛好者、廃村愛好者などにとって有名なスポットであったらしい。
有線電話がないため郵便貯金オンライン網が整備されず、最後まで為替貯金事務を昔ながらの手作業で処理していたとのこと。
村の一歩道を歩くと公民館が・・・
秘境の村のとしてはかなり立派な鉄筋構造の公民館が・・・
これも坂本ダム建設にともなう村の補償としての建物なのだろうか。
中をのぞくと番傘がなまなましく残っていた。
立派な公民館の前を進むと、またまた集落の建物が。
昭和の時代に廃村となった東ノ川集落。
集落には車を駐車するスペースなどなく、車社会のその以前に廃村になったことが分かる。
こんな山奥で車がない生活とはどのようなものなのだったろう。
集落の世帯は厳重に雨戸を閉じてこの村を後にしたのであろうが・・・
玄関がこじ開けられている世帯もあり・・・
中を恐る恐る覗いてみると・・・
結構荒らされているもよう。
ネズミの糞が凄い。
石段を上がるとまた集落の建物が・・・
この辺りは山深いのでカエデの木々の紅葉もかなり進んでいる印象。
ここも表側は雨戸が閉められているのだが、少し脇に回ると扉がこじ開けられている感じ。
誰かが荒らしたのだろうか。
しかしながらつい近年まで人が暮らしていたような。
それほど荒廃していない印象。
かなり辺境の地ですが、地元の消防団が年に一度は訪れて、防火チェックをしているようですね。
さてさて、帰りは下北山温泉きなりの湯へ。
ここは温泉に入らなくても食事が出来る場所なんです。
メニューも盛りだくさん。
沢山のメニューの中で迷っていると・・・
ほほん、おすすめベストスリーか~。
前回は真菜うどん定食を頂いたので、今回は五穀米カレーにするかな。
で、注文した五穀米カレーがこちら。
メニューに迷った時はカレーをチョイスするのが安定的に旨いんですよね。
ここは風呂上りに休憩する場所も広いし、食事をする場所も広いのでなんとも落ち着く場所なんだな。
ってことでお腹も満たされたし、大阪へと帰ります。
ではでは。